2018年03月17日  ”三上山”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る


名神高速から見る秀麗な山容の三上山は、存在感たっぷり

「近江富士」として親しまれる岩場と展望の山です

近江八幡の日牟禮八幡宮で行われる「左義長まつり」に合せて、登って来ました


御上神社(9:35)〜(10:00)表、裏登山口分岐〜(10:55)三上山(11:05)
(11:30)
打越・女山往復(11:40)〜(12:00)御上神社  (2時間25分)



御上神社駐車場に車を停め、鎌倉時代建立という風格ある楼門(国重文)を潜り、本殿(国宝)にお参り

由緒に拠れば、孝霊天皇6年(296)6月18日に天照大神の御孫、天之御影神が

三上山に御降臨され、ご神体山として鎮祭申し上げ

降って、養老2年(718)3月15日、藤原不比等が勅命を拝し社殿を造営し遷祀したと伝わる

国道8号線(中山道)を挟んで、御上神社東に広がる田圃は野洲市三上の「悠紀斎田」 

 昭和3年、天皇即位の儀式・大嘗祭に供えるお神酒、神餅のお米を作る斎田として勅定されたそうです

それ以来、毎年5月21日に記念御田植祭が行われている



界隈を探索しつつ御上神社から25分ほどで、三上山登山口(駐車場有)

イノシシ除けの柵を開けて登山道に入り、5分で表道と裏道の分岐

「裏道の方が表道より緩やかな登山道です」と案内が有る

裏道は下山に使うことにして表道を進む

分岐から快適な石積みの参道を歩いて、7分で妙見宮跡

 

二越からの展望が開けているようなので、ちょっと右の岩場へ

 琵琶湖の向こうの尖山は比叡山 西方面の展望を、暫し楽しむ

二越を過ぎると、岩場の連続です  ワクワク

 

 此処が、三上山名物?の割石(われいし 迂回路も有ります)

鎖を繰って岩の隙間に入って行く 何とか通れたけど、かなり狭い

グランパ、大丈夫かなぁ? ザックが邪魔して通り難かったそうですが、何とか通過

邪魔したのが、お腹でなくて良かったね



次々と面白い岩場が続き、一気に高度を稼いでゆく

岩場のでっぱりから、琵琶湖や比叡山が綺麗に見える〜♪

新幹線が轟音を上げて、野洲川に架かる鉄橋をあっと言う間に走り抜けた



手摺のある急な岩場を登りきると、湖東平野の展望が開ける

南に、笹間ヶ岳〜矢筈ヶ岳〜太神山の湖南アルプスのたおやかな稜線

大津打出浜にて詠めるという紫式部の和歌が残る

「打ち出でて 三上の山を 詠れば 雪こそなけれ 富士のあけぼの」
 

 
注連縄が張られた大岩は、神が宿ると謂われている奥津磐座

 磐座の背後に祀られた御上神社奥宮では

毎年、祭神が御降臨された6月18日未明に神迎えの山上祭が行われる

三上山山頂(432m)は、木立に囲まれ展望は無い

登山口近くのお店に「ムカデ山」って書かれていたので、その由来を調べてみると

平将門を討った弓矢の名手として名高い関東武士藤原秀郷の百足退治伝説が残っている

山裾を七巻半している大ムカデの額を矢で射止め退治した秀郷は、龍神から米俵や絹や釣鐘をお礼に貰う

その米俵は減ること無く何時までも米が出続け、それで俵藤太と呼ばれ出したとか

その事に因んで「ムカデ山」と呼ばれているそうです



山頂から少し下った所に「苔が谷」の説明板

「三上山を西側より眺めると山頂付近が割れて見えるのがこの辺りで、付近に苔が多く繁殖している」

説明板から横道に逸れると絶壁で、東の展望が開けている



苔が谷から登り返したところに、東龍王社の祠が祀られている

木の根の這う急坂や、クサリ場もあって、裏道もそんなに楽じゃないねぇ



三上山(男山)と女山の鞍部 「打越」

下山路は右ですが、直進して女山をピストン  ひと登りで女山、標識も何もありません

後は、家族連れや団体さんとすれ違いながら、のんびり下山です



花は期待してなかったけど、ピンク色が目に飛び込んで来た

よく見ると、イワナシ!  思いがけない出合に、ニッコリ〜♪

 岩場と展望が楽しめる信仰の山、低山成れど魅力たっぷりのお山でした


さぁ、近江八幡へ向かいます



市営小幡観光駐車場から、風情ある街並みを歩いてゆくと前方に八幡山が近付いて来た

八幡掘沿いの老舗で美味しいお昼をいただき、賑わう日牟禮八幡宮へ

八幡宮には、今年の干支・戌をあしらった山車13基が奉納されている

近江八幡の左義長祭りは、安土城下で行われていたもので

織田信長亡き後、八幡山城下に移住してきた人々によって始められた火祭りの行事です

最終日の18日午後8時に一斉奉火され、夜空を焦がして終わります



いよいよ、山車の渡御出発です

左義長祭の唄も賑やかに、八幡掘に架かる白雲橋を渡り街を練り歩く

ハァ〜 弥生半ばの左義長祭り 山車がねり出す にぎやかに

ソーレヤレヤレ♪  チョウヤレ チョッサジャ

ハァ〜   日牟禮八幡 城山おうて 火防 厄除 よいお宮

ハァ〜 天下奇祭の左義長おどり 馬場は火の海 人の海

ハァ〜 おどり出したる 信長公の 由緒残した この祭り


さて、夕刻までに時間が有るので、西国さんをお参りしてから今夜の宿へ

西国三十三所三十一番札所 姨綺耶山 長命寺を訪れる



 808段の石段を上れば、(山門下まで車で来ると、108段)

推古天皇27年(619)開創の長命寺 本堂や三重塔が並ぶ境内は、厳かな雰囲気が漂う

境内奥の石段を上がって行くと、太郎坊権現社

権現社から見る三上山は、圧巻! 湖南の山々を従え、なんて誇らしげな姿なんだろう!

白洲正子の著書「近江山河抄」に書かれた

『近江の中でどこが一番美しいかと聞かれたら、私は長命寺の辺りと答えるであろう』

の一文を思い出しながら、石段をゆっくりと下りて行く

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