2018年03月31日  ”犬墓山・鬼城山”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る




「晴れ、晴れ、大空、吉備の国♪ うらじゃ うらじゃ う〜ら〜じゃ♪」

1994年に始まった「うらじゃ祭り」、毎年8月の第一土、日に岡山市中心部で開催されている

さて、この「温羅」って、吉備津彦命(桃太郎)に退治された鬼の事だという伝説も残るが

吉備の国を治めた百済の王子で、全国平定を目指す大和朝廷に滅ぼされたとも謂われている

岡山と言えば桃太郎と思っていたら、温羅も結構人気者なんですねぇ

今日は、温羅伝説の舞台「総社ふるさと自然のみち」を歩き

吉備高原南端に位置する鬼城山(397m)に占地する国指定史跡

「古代山城、鬼ノ城(きのじょう)」を尋ねます



桜満開の砂川公園内を通り、狭い車道をグングン高度を上げ駐車場着 一番乗りです

 ウォーキングセンター前に、 「総社ふるさと自然のみち総合案内」がある

今日は、メインの「三十三観音みちコース」にお好みコースをトッピング

チェックポイントを頭に入れ(勿論地図は持ってます)、歩き出す


ウォーキングセンターP(7:00)〜(7:15)犬墓山〜(8:00)馬頭観音〜(8:25)岩屋寺(8:35)
(9:20)
重田池〜(9:35)せせらぎの十字路〜(9:50)タムシバの森〜(10:40)岩屋休憩所(10:55)
(11:15)鬼ノ城北門〜(11:30)屏風折の石垣(11:45)〜(12:15)西門(12:25)〜(12:35)
                                      (5時間35分)



よく整備された遊歩道を上って、まずは犬墓山を目指す

15分で、今年の干支の山・犬墓山(△443.3m)



犬墓山から、今日最後にお邪魔する予定の鬼ノ城の西門や角楼をズーム

遊歩道真ん中に突如現れる卵の様に真ん丸な無縫塔(卵塔)が、「皇の墓」

文武天皇の皇子で、岩屋寺の開祖善通大師の墓だそうです



江戸時代に整備された「三十三観音の道」第二十四番 大岩に彫り込まれた「岩切観音」

スポットライトを浴びて浮かび上がる観音像 神秘的です

 

「方位岩」って、どういう意味だろうかと道を逸れ奥へ行くと、満開のタムシバ〜♪

「方位岩」の並びに「汐差岩」 しばらくは巨岩・奇岩を楽しみます



馬頭観音                                 屏風岩



八畳岩                                 鯉岩



鬼の餅つき岩                           鬼の差上げ岩



岩屋寺                                観音堂

「岩屋・新山は、平安時代末期、東の叡山と並び称された山岳仏教の聖地」だそうです

大岩だらけの森で佇んでいると、1000年昔へタイムスリップしそう



岩屋寺から「北の吉備路コース」に入る 巨岩巡りは、なおも続きます 鬼の昼寝岩と鬼の酒盛り岩

実僧坊山(471m)と登龍山(△461.4m)も気になりますが、道が分かり難いのでパス

小川沿いを重田池に向け下って行く



重田池に当ると分岐 左にとり池を周るように稜線道を行けば「タムシバの森」ですが

道なりに池畔を進む (あとからログを見れば、左に行った方がよかったかも)

堰端のベンチに腰掛け小休止



瀬音が徐々に大きくなり、「せせらぎの十字路」から左「タムシバの森」へ登って行く 

伐採地を抜け、送電鉄塔を潜る ミツバツツジが明るい〜


 
「タムシバの森」の説明板の所から山肌を眺める

一面というほどの群落ではない(今春は気温が高いので、もう終わりかけているのかも)が

点在する清楚な白色が芽吹き前の森にアクセントを放つ

(タムシバはこの辺りに限らず、方々で楽しめました)



せせらぎの十字路まで引き返し、「岩屋の大桜」へ登り返す

日当たりのよい平地で、大枝を伸ばす幹周3mヤマザクラの巨木 満開まで、もう少しです

傍の解説板に、「日本の野生のさくら」11種類を表示している

マメザクラ、エドヒガン・・・・えっ!イシヅチザクラ 鬼の山で「イシヅチ」発見、なんだか嬉しい

大桜から水平道を進み、岩屋休憩所で大休止

 

休憩所から小川沿いを緩やかに下り、車道(中国自然歩道)に出て登り返し、直ぐ左へ

急坂を10分ほど頑張ると鬼ノ城背面側の北門に出る


今日のメインコースの前に、ちょっとコーヒーブレイク「古代山城豆知識」

「古代山城は、7世紀後半(天智天皇のころ)唐・新羅の侵攻に備え築かれた

現在分かっているのは、九州や瀬戸内海沿岸に25ヶ所

うち日本書紀に名前が出てくるのが9ヶ所で、出てこないのが16ヶ所

前者には、大野城(福岡県)、屋嶋城(香川県)など

後者には、城山城(きやまじょう、香川県)、永納山城(愛媛県)、鬼ノ城など」

(西条市教育委員会「永納山城跡」より抜粋)

この他にも、身近な山に古代山城が眠っているのかも・・・ロマンですね〜


鉢巻状に巡らされた城壁(全長は2.8km)沿いに付けられた遊歩道を進み

展望を楽しみながら、城門(北→東→南→西)と史跡を巡ります

 

説明板に、「千数百年前、温羅と呼ばれる一族が朝鮮より渡来し、居住したと謂われており

付近の城塁は、当時の名残だともいわれている」と記されている

血吸川の急崖上に舌状に構築された「屏風折れの石垣」

窮屈なところで今にも大爆発しそうなミツバツツジ(ゲンカイツツジかも?)

 たおやかな吉備の山並みを眺めながらお昼にします

 

「屏風折の石垣」を振り返る 鬼ノ城で最も著名な高石垣だとか

「鍛冶工房跡」を過ぎ、今も残る奥坂からの登城道を見ると直ぐ東門

西門や南門に比べやや小ぶりですが、防御機能が高いそうです



こんな所に水門? 水が流れる「第4水門跡」 水門跡は、0から5まで全部で6つ

高石垣から南に、備中国分寺五重塔、吉備最大の古墳・造山古墳や作山古墳

瀬戸内海を隔てて、屋嶋城、城山城、讃岐富士などが見えるそうですが

手前は同じような小山が並び特定出来ず、沖は舫って見えません

展望を楽しまれていたご家族が、気持ちの良い挨拶を残して東門の方へ歩いて行ったが

パンフットを持ったお兄ちゃんは、史跡に興味津々の様子でお父さんに質問している

歴女ならぬ歴男君 「日本百名城塗りつぶし」も近いかな?



規模(間口3間)構造(12本の角柱で上屋を支える)が、西門と同じ大型の南門

傾斜がつけられた敷石を登って西門へ 敷石は古代山城では鬼ノ城にしかないそうです

実物大で復元された西門は、麓から鬼城山を特定できるランドマーク

西門裏の小高い丘にある東屋付近を鬼城山の山頂(397m)ということにして下山



学習広場のデッキから西門を望んだ後

散策者で賑わう遊歩道を下って、ウォーキングセンター着

歴史書に一切記載が無い謎の城・鬼ノ城には、歴史ロマンがいっぱい

今日は、史跡と春を楽しむバリエーション豊かな里山歩きでした


さぁ、「春の妖精」に会いに行こう

道々の桜を楽しみながら、高梁市備中町の「平松カタクリ園」へ



 裏山の斜面に、ピンクの絨毯が敷かれています

セツブンソウやユキワリイチゲの花期は終わり、アマナやコバイモはそろそろ終盤

イチリンソウが、白い顔を綻ばせ始めている

春満開の吉備路でした♪

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