2018年04月28日 ”玉取山〜兵庫山”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
       電池切れのため、下山路(破線)は手書きです
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る


上猿田の奥、土佐との県境に素敵な名前の山があり、伝説が残っている

玉取山の魔物
 (教育委員会発行の伊予三島市の歴史と伝説拠り、要約 )

ある日、猿田に住む狩人が玉取山に分け入り獲物を捜している内に日が暮れてしまいました

切株に腰を下ろして一休みしていると、何処からともなく女の声が聞こえてくるのでした

そして、突然目の前に立派な御殿が現れ、美しい娘が行燈の側で化粧をしているではありませんか

狩人は驚いてほうほうの体で逃げ帰り、村人に話しました

翌日、村人たちは玉取山をさして登っていき、真暗闇の中で息をひそめて待ち構えます

すると、昨日と同じ立派な御殿と美しい娘が現れました

一行は筒先を娘に向けるが早いか、一斉に射ち放ちましたが、何の手ごたえも有りません

老人が「あの行燈を狙ってみよ」と言い、一行は行燈目がけて弾を射込むと

御殿も娘も跡形も無く消え失せ、その後、玉取山に二度と魔物は出なくなりました



今日は、久し振りに仙ちゃんと一緒に玉取山・兵庫山をピストンです

魔物は出ませんでしたが、青空を欲しいままにするピンク色の魔女に魅了されました



翌日、赤星山から歩いた稜線を眺める

こうして見ると距離はそんなに有りませんが、岩場やアップダウンが多く、結構時間がかかりました

(7:05)〜(7:55)玉取山〜(8:55)1334mP肩〜(11:55)兵庫山(12:35)〜(15:45)玉取山(16:00)〜(16:35)
                                                   (9時間30分)



富郷町上猿田から白髪隧道へ向かう途中、「県指定天然記念物大カツラ」の指標に従って右折する

ちょっと悪路を5分くらい走ると佐々木翁の石碑が建つ三叉路 此処を右折し、かなりな悪路を2分ほどで登山口

登り始めは植林帯の急坂だけど、次第に自然林に代わり大岩に突き当たる

大岩を左に回り込み最後の急斜面を頑張れば、程なく稜線(玉取山)です



玉取山(△1330.4m) 南面の鮮やかなミツバツツジは咲いたばかり

1334mPの肩へ向けて下って行くと、芽吹き始めたブナ林に彩りを添えるアケボノツツジが華やか

花に見惚れている内に、かなり下って来た (登り返しがしんどいかな、まぁ帰りの事は考えんとこ)

 

鞍部から急坂を登りきると、1334mPの肩 振り返れば、玉取山と右奥に大森山、佐々連尾山

肩からは90℃右へ振り下って行くと、緑濃いバイケイソウの花園が広がる

一面の緑に心が和む ちょっと休もうか

 

痩せ尾根の両サイドは、花盛り

二ツ岳をバックに咲く、孤高の一本

 

シャクナゲ尾根を行くと前方に大岩 此処は右へ

絶壁に咲く、見事なアケボノ 此処は声をかけずに通り過ぎる訳にはいきません


 
エビラ山、二ツ岳、赤星山、豊受山、鋸山が一望のもとです

見飽きぬアケボノ風景についつい長居してしまい、何時になったら兵庫山に着けることやら

せり割り岩を抜け、先へ進みましょう

 

せり割り岩から岩稜を少し下ると、アケボノが「ご苦労さん」

岩峰を十二分に楽しんで、振り返る (帰りは、基部を巻きました)

 

ブナとアケボノが仲良く、白髪山を眺めている

空気が澄んで、アケボノ越しに笹ヶ峰沓掛山の吊尾根から法皇山脈までクッキリです

 

前方に大登岐山、右端に兵庫山を見ながら花の道を下って行く

ひときわ鮮やかなアケボノツツジ〜♪

 

岩場から身を乗り出すようにして咲くアケボノツツジ 思わず「気を付けて」と声をかけたくなる

こんなに綺麗に咲いてるのに誰にも会わない 貸切なんて勿体ないねぇと、話していたら

見晴らしの良い所で数人の方が休んでいるのが見え、嬉しくて「ヤッホー」

前方からも「オ〜イ」と声が帰って来た



1226mPから、越えて来た尾根を振り返る

「こんにちは〜」 1226mPから下りて来たところで出会ったのは、先程の声の主さんたちです

大登岐山〜猿田峠を二組でクロス縦走されていて、出会った所でお弁当だとか

私達をもう一組の方と間違われたそうです

では、帰りにもう一組のグループの方々にもお会い出来るんですね

 楽しみ〜 (まさか、まさかのドッキリでした)



先程のグループさんが休まれていた見晴らし場で、通って来た岩峰を眺めながら小休止

目指す兵庫山は指呼の距離  これまでと比べて歩き易い道が嬉しい



明るいブナ林を登り切れば、兵庫山山頂です

「頑張れ!」アケボノも応援してくれてます



「ヤッホー」 兵庫山(△1303.2m)山頂

狭い山頂を取り囲むように咲くアケボノもミツバも満開♪

シャクナゲも沢山の花芽を付けているし、咲いたら見事でしょう

余談ですが、ここで 「兵庫山の黄金伝説」

小早川隆景が侵攻して来た天正の乱の折


氷見高尾城で討ち死にした新居郡の高橋兵庫守種長の子、宗種は、長岡郡本山の山中に逃れ住んだ

その地を父の名に因んで兵庫山とし、館を構え、持ち運んだ財宝を屋敷の桜の根元深く埋め置いた

永い歳月が流れた明治のある年、大風で桜の古木が倒れ、その根元から沢山の黄金が出て来たと伝えられている




頂上から大登岐山、今日は時間的に無理だけど何時か歩いてみたい

食後、のんびりと四方山話 でも、今日中に帰らんといかんねぇと重い腰を上げる

下っていたら、クロス縦走のもう一組のグループさんが登って来られてます

「こんにちは〜」 「エェー!ギッチャン!」

何と、何と、もう一組の方って、ギッチャン達のグループだったのです

ピンク色の森に黄色い歓声が響き渡りました♪


皆さんに元気をいただき、アケボノを2度楽しみながらのルンルン復路

あっと言う間に玉取山かと思ったんですが、しんどいアップダウンには参りました

出来れば、下山は下るだけの方が楽で良いですねぇ

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