2018年10月28日 ”中津山”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る



祖谷の入口に聳える秀麗な中津山は、展望、歴史、ブナと三拍子揃った名山です

ですが・・・・前回はガスの中、ピークを踏んだだけで何となくもやもや感が残っている

今日は秋晴れ もちろん展望や輝くブナの紅葉は楽しみですが 

特に前回積み残した頂上周辺の行場や権現さんをゆっくり巡ってみます


(6:40)〜(8:35)中津山〜(8:55)盤ノ岩〜(9:25)中津神社〜(9:45)蔵王大権現
(10::05)
山頂ベンチ(10:15)〜(11:35)将軍神社〜(1150)P    (5時間10分)



県道から分かれ、田ノ内集落向け、細い道をジグザグ上がってゆく

青屋根民家傍のスペースに車を停め歩き始める(左写真 振り返っています)

5分ほどで車道終点 最終民家右の広い道に入る すぐ左に「中津山登山口→」の標識があるが直進する



直ぐ先の左に将軍神社 土佐の幡多に流された尊良親王に逢うため

懐妊中の中宮加羅宇多姫が、この中津山を越えてきたというが伝説が残っているそうです

見上げると溜息が出る程の急傾斜の石段を上がる 石積みが壊れ落葉が乗り歩き難い

拝殿左奥から登山道に入る 「中津山→ きせのくぼよびごと案内人」の標識がある



植林帯の急斜面を直登して、登山道に合流(左写真 振り返っています 分岐点に標識無し)

尾根南面をゆっくり高度を上げてゆく 登山道脇で自然に還ろうとする木の鳥居に歴史を感じる



尾根に乗り、赤や黄色の光線を体いっぱい浴びながら快適な道を進む

大崩落地の縁から頂上方面を見る 頂上(中央)左肩下に中津神社や盤ノ岩が輝いている



登山道脇の祠 ブナが目立ち始めこの辺りの紅葉は見事でした

何と言ってもブナは森の主役です 秋のブナの森は上を向いて歩こう



やや斜度が増し、林床が低い笹に覆われる その中を縫うように延びる登山道

尾根のジャンクション(右写真)に出ると、もう頂上は近い



木々の間に矢筈山系、真下に紅葉の名所「東洋一の断崖・竜ヶ岳」(阿波ナビより)

頂上(三角点)にタッチする前に、ベンチで一休み 

5年前はガスに覆われて何も見えず、残念だったけれど、今日は遮るものはありません



東に、腕山や烏帽子山、矢筈山がすっきり見える

落葉が池面を覆い、黄金色に輝いている「黄金の池」 「じゅんさい」が獲れるとか

奥の建物は、「中津山大権現本殿 山岳密教中津山修験道根本道場」



弘法大師像と、中津山三角点(1446.8m) どうしてこんな所にお大師さん?

広い道をゆっくり下ると、舗装路終点(車止めチェーン有り)に出る(右写真 振り返っています)

標識に従い、右中津神社方向へ



すぐ、鳥居があり、傍の山上案内図に従い右へ 

ブナに囲まれ赤い絨毯が敷き詰められた尾根道を進む



中津神社分岐 先ずは、右盤ノ岩へ 最初は緩やかですが、段々急坂に



登り返しがしんどいなと思いながら転げるように下ると 盤ノ岩(行場)が見えてきた

ヒノキの大木に抱かれた大岩に祀られているのが、松尾瀬戸作大権現の石像

戦国の落武者となって京都から中津山北麓の松尾村に着いた松尾瀬戸作は

村人を督励し、先達となり山を開いて田畑を増やしていった

村の開拓を終えた瀬戸作は、村人の引き留めるのを振り切って

中津の奥深く姿を消し、仙化したと伝えられている

大岩左に掛けられた細いクサリを頼って、基部へ下りる(右写真 見上げてます)



長い髭を蓄えた修験者らしき像が祀られている(台座に、内田眞教作と刻まれているそうです)

東には、紅葉に彩られた絶壁の上に、中津神社が見えています



分岐まで登り返し、少し下ると大山祇命を祭神とする中津神社社殿が見えてきた

拝殿右に渡された鎖を伝い裏の絶壁に立つ 足元は深い紅葉の海 向かいに今朝歩いた尾根が見える



右に、どっしり構えた国見山 今日はたくさんの登山者で賑わっているんだろう

こちらはまだ誰にも会っていない こんなにいい山なのに 「四国百名山」に入ってないからかな?

広い水平道を進むと小屋で行き止まり、引き返す

それにしても大明神さんは危なげなところに祀られているなぁ



神社から引き返し、広い道を緩やかに登り返す 

「蔵王大権現→」の標識に従い進むと、せり出した岩場の突起部に祠が見えて来た



修験道の本尊蔵王大権現と、奥に修験道の開祖役小角(役ノ行者)

中津山は、黒沢長福寺(光明寺の前身)の龍骨和尚によって開山したと伝えられている

古くから山伏の修行場として名をなし、戦前は女人禁制であったそうです

蔵王大権現と役小角に貰った沢山のパワー、帰ってグランマに分けてやらんと



木の間越しに中津神社 見るからに、危なげな断崖です

ここから引き返そうと思ったが、薄い道が奥に続いていそうなので進んでみる

徐々に踏み跡が下り気味になったので、稜線に向かって笹斜面を直登し、朝歩いた道に出た



ベンチまで引き返し、再度絶景を楽しむ 一番左に天狗塚

重い腰を上げようとしたら前方から声が聞こえてきた 今日初めて会う登山者です

大ブナを探しながら時々登山道を外し、のんびり下りて行く 

大きく手を広げているあのブナは4mくらいかな? メジャーを持っていません 残念



自然林の紅葉も良いが、植林の中のシロモジの黄葉も趣がある

将軍神社の石段を下り、車道沿いで揺れるススキを楽しみながら駐車地点に帰ってきた

紅葉輝くブナと修験道の中津山は見所満載、ボリュームのある素晴らしい山でした


参考文献 街道と里道、調査報告集「三好の古道」(三好郷土史研究会編集発行)

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