2019年01月26日 ”神峯山・塩屋ヶ森”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る


第27番神峯寺は、 高知県で印象深い札所の一つです

エンジンの回転音を上げながら、辿り着いた先の境内から眺めた太平洋は実に雄大でした

今日は、神峯寺、神峯神社を参拝し、塩屋ヶ森まで真っ直ぐなトレースを引いてきます

(塩屋ヶ森という山名は、あまり馴染みが無いんですが

昭文社発行の遍路本に、「神峯寺は塩屋ヶ森(632m)の南腹にある」と書かれていますので

△下山631.85mのピークを塩屋ヶ森と表記します)


唐浜駅(9:30)〜(11:12)神峯寺〜(11:30)神峯神社〜(11:46)神峯山空と海の展望公園
(12:40)塩屋ヶ森(13:00)〜(13:55)神峯寺仁王門〜(14:55)唐浜駅    (5時間25分)



「雪のため通行止になるおそれがあります。不用、不急の外出は控えてください」と

高速道路情報が発令されている中、雪降る高知道を走るアホな二人です

南国ICで下り東に向かっていると、青空が広がってくる

「ぢばさん市場」で途中下車 出来立てのお弁当が嬉しいです

(新鮮な白菜、キャベツ、茄子等もいっぱい 勿論、買いました)

唐浜駅前の広い駐車場に車を停め、「とうのはまへんろ君」に見送られ神峯寺へ

余談ですが、「安田唐ノ浜」は蔬菜園芸発祥の地

「促成栽培 安田が本場 遠く関東、満州まで」と、野口雨情が詠っている



神峯神社の鳥居を潜れば、いよいよ遍路転がし「真っ立て」道の始まりです

といっても、暫くは車道を緩やかに上がって行きます

途中、道沿いにある三角点(△東谷77.46m)を探すが、草茫々で見つからない

歩き始めて1時間、ようやく古の遍路道が見えてきた



「神峯徒歩道→」に従い、何度か車道を串刺しながら、地蔵丁石の佇む遍路道を進む

数人の歩き遍路さんにすれ違う 次の札所は40km先の第28番大日寺



神峯寺駐車場 今日は、参拝者の車も疎らです

駐車場から急坂を登ってくると、厳かな雰囲気の仁王門が迎えてくれる



境内には、病気平癒に霊験あらたかと伝わる「 土佐の名水 神峯の水」が湧き

石段の両側の植込は、よく手入れされていて美しい

150段の石段を登りきり左へ進むと、第27番札所 竹林山 地蔵院 神峯寺

縁起に拠れば、神功皇后の勅命で天照大神などを祀る神社が起源と、歴史の古さは屈指で

聖武天皇の勅をうけた行基菩薩が天平2年(730)に十一面観音像を本尊とし、神仏合祀を行い

その後、弘法大師が伽藍を建立し、「観音堂」と名付けたのが大同4年(809)の頃とされる

幕末、三菱財閥を築いた岩崎弥太郎の母が安芸から21日間日参し、息子の出世を祈願した話も伝わる



大師堂に参拝してから引き返し、「神峯の森自然遊歩道(神峯神社・大樟250m)」を登ってゆく

鬱蒼とした森に見応えある杉が林立する 「神峯神社の大スギ」(推定樹齢300年 ヤナセスギ系統の天然林)

辺り一帯に霊気を漂わす「神峯神社の大樟(推定樹齢900年 高知県天然記念物指定)」 

木の根元に樟神社が安置され、昔から神経痛に効験有と伝わる



大樟から左奥へ進むと、岩屋神社が祀られている

本殿正面に戻り、石段を上ってゆく



神峯神社  枌葺三面入母屋造りの社殿は、本殿と拝殿を兼ねている

正面が半唐破風仏堂式、側面が千鳥破風と、とても重厚な雰囲気です

神社日記に拠れば

「今を去る2600年余の昔、神武天皇東征のみぎり、神の峯として石を積み神籬を立て祭られたるに起源する」

社殿右横の山道を登ると、「灯明巖」が現れる 古来より、夜半になると岩が青白く輝き光りを放つとか



山道を登って、「神峯山 空と海の展望公園」へ

林を抜けると突然現れる高さ23mの大展望台 バベルの塔かと見紛う迫力です

なんでも、高知の山友じいじさんの会社が施行、じいじさんも携わられたとか!



先ず、展望台の傍の林の中に、△神峯神社 569.88mを確認し

展望台の螺旋階段を登ると、四周の景色が思いのまま 南に奈半利、室戸岬



西は安芸や高知、足摺岬 これぞ高知、海も空もでっかいです

「あったか高知」なんですが、四国山地を吹き降ろす空っ風は冷たい

北に、これから向かう電波塔の山・塩屋ヶ森を確認

安全設計の展望台から、景色を十分楽しませていただきました

ありがとうございます



茶畑を見ながら車道を進む

右上写真の分岐で左へ (右へ進めば、三角点まで車道が続いていました)

暫くは舗装路を歩き、少し高度が上がった所で右に入る土道を折り返す



アララ、道が続いてる筈なんですが、萱や棘が元気に茂っています

電波塔も見えてるし、藪が薄そうな左上に進んでゆくと段差が有り行き止まり

荒れた茶畑や雑木林を強引に進み、電波塔に飛び出した

 

さて、三角点は何処だろう? 辺りをきょろきょろ探すと、有りました〜 △下山 631.85m



帰りは車道歩き 南面の日溜りに腰掛けて

「ぢばさん市場」で買った高知名物のお寿司に温かいスープをいただきながら、お昼休憩

さぁ、後は下りるだけですから、唐浜までそんなに時間はかからんでしょう

先程の分岐を過ぎ、展望台への分岐を右に見て、どんどん車道を下ります

四国のみち「神峯のみち」がクロスする所まで来ると、神峯寺は近いです



四差路から少し進んだところで「空海腰掛け岩→」の指標に導かれ、山道に入って行くと

 西行法師が、諸国行脚の途次、神峯神社に立ち寄った折に詠んだという歌碑

夜ふこめて 立ち越し見れば 十鐘山 昔の神も 今朝や来ぬらむ

その直ぐ側に「空海腰掛け岩」 修行中の弘法大師が、この大岩から四国の景観を眺めたと伝わる

説明板に拠れば、「ここからの展望は絶景雄大の一語につきる、左前に羽根、行当、室戸の三岬を望み

右前に遠く土佐の連山が紫紺の太平洋にはえ、南端の足摺岬が霞んで見える」と

展望デッキも有りましたが、今は木々が茂って何も見えません



急な石段を下り鳥居を抜け、車道に出る

仁王門下のモニュメント、同行二人のオブジェ(他の場所にもありました)だそうです



広域農道を下っていると、雪が舞う  真上は青空 お天気雪かな?

「安田町化石体験(採集)場」から神峯山を振り返る

「ご苦労さん」 笑顔のとうのはまへんろ君に迎えられ、唐浜駅に帰って来た


安田町は良いお天気だったのに、安芸市に入ると雪が舞い出した

高速道路情報を見ると、南国〜川之江東JCT間が「黒色真っ立て(通行止)」

「そのうち開くよ」と、グランパは至って楽観的 

 高知市内で買い物している内に、「青色真っ立て(冬タイヤ規制)」になり、無事帰宅でした

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