2019年05月25日  ”手箱山・筒上山”


「イメージをトレースする山歩き地図 2」 (泉保 安夫) (株)美巧社


地図を見ていて、手箱山東尾根の「かむろ石」が気になった

どんな「石」なんでしょう?

山開くこの時期 ブナの新緑、ツツジやシャクナゲを楽しみながら手箱山を尋ねます


土小屋駐車場(7:20)〜(9:15)手箱越(9:30)〜(10:15)手箱山(10:30)〜かむろ石〜(11:50)手箱山(12:05)
(12:40)手箱越〜(13:10)筒上山(13:40)〜(14:30)北尾根分岐(14:40)〜(14:55)丸滝小屋〜(15:35)駐車場
                                                (8時間15分)



バス停南の駐車場には、5〜6台 まだ静かな土小屋です

満開のミツバツツジを潜り、スタート

程なく、石鎚スカイラインを上がってくる車の音が聞こえ出した

岩黒山南面をトラバースし、ゆっくり高度を上げる



岩黒山への道を左に分け、朝日が差し込み始めたブナ林を進む

清々しい空気が漲るブナの森で大きく深呼吸、眠気が一気に吹き飛びました

40分で丸滝小屋 ツツジはどうかなと、小屋裏を散策します



断崖縁のアケボノは終わり、ヒカゲも終盤でした

背後には精悍な姿の石鎚山 緑がそろそろ天辺に届きそうです

ロープを頼り、鉄橋を渡りながら、県境尾根東側の急斜面を下る



鞍部で尾根直登道を右に分け、ゴヨウツツジを楽しみながらトラバース道を行く

葉っぱが隠れるほど真っ白に咲いているのも素敵ですが

このくらいの花つきが、お淑やかなゴヨウツツジらしいということにしておきましょう



鞍部から10分弱で名野川コースが合わさり、少し下って寄り道 

此方のゴヨウは、全体に花付きがまずまずです



登山道沿いの大岩に、シャクナゲの花がチラホラ見える

が、逆光なので上手く写せません

キレンゲショウマの群生地を過ぎ、不安定な鉄梯子を慎重に上がってゆく



城郭を思わせる高石垣横を進むと、覚心寺の道場

背後に溶岩ドームのような筒上山 あとからお邪魔しま〜す

小休止後、手箱山大権現の扁額がかかる鳥居を潜り手箱山へ

地面いっぱいに咲くワチガイソウが見送ってくれます



登山道北側で満開したばかりのシャクナゲ〜♪

どちらかというと陰樹のイメージですが、此処は日当たりも抜群

 絶景に花を添えています



シャクナゲの髪飾りを纏ったベートーベンさん 元気でしたか〜

途中の窪地にシャクヤクもあったと思うが、もう終わったのかも?

この辺りは、オオカメノキがいっぱい 咲いたばかりで、とっても綺麗!

「瓶を彩るオオカメ」 如何でしょう



ピンクの小道になってるかと期待していたのに、ミツバツツジには花芽が殆ど無い

手箱山(1806.4m) 10時過ぎと時間も早いので、静かな山頂です



大瀧からだというソロの方と入れ替わり、笹原稜線を東へ

ゴヨウツツジは開花カウントダウン態勢ですが、どの木も花芽は少ない



大岩の石門手前で大瀧ルートと分かれ左へ 

向かいの稜線に、黒い岩が見える 「あれが、かむろ石よ!」

雄大な笹斜面に一瞬躊躇したけど

大岩が醸し出す魅力に引き寄せられるように足が前に出た

薄っすら道があるような、無いような とにかく、大岩を目指し進んでいく



笹に足をとられながらも何とか尾根を乗り換え、アケボノやミツバの中を少し下ると大岩が近付く

姿、形と言い、その独特の存在感に圧倒されます

辺りに大きな岩も無いので、これが地図に載る「かむろ石」でしょう



ところで「かむろ」って? 

「禿」or「神室」、神が天から下りて来る場所、神籬(ひもろぎ)?

基部を周ってみたが、祭事が行われている(いた)とかの雰囲気はありません

ですが、名がつくほどの石ですので、おそらく山岳宗教に根ざす神聖な場所だと思います

余談ですが、ここから北側に標高差300mほど下った所に、

氷室があり、仁徳帝の昔から毎年6月1日に氷を献上したと云われている」(本川村史)そうです

「かむろ」と「ひむろ」、全然脈絡が無いんですが、(玉)手箱にはいろんなロマンが詰まっている



かむろ石から東の展望  稜線北斜面にシャクナゲのピンク色がポツポツ見える

真下に、大瀧ルートの登山道  背後に重なる山並みを包む緑の、なんと綺麗なこと!



かむろ石のすぐ北側に、満開のシャクナゲ〜♪

「よくぞここまで! ゆっくり楽しんでください」とでも言いたそうに、誇らしげに咲いています



アケボノがほぼ終わり、ミツバも期待外れの中、一人頑張る桃色天使の微笑です



かむろ石を振り返り見ながら、急斜面をダイレクトに下る

やっとの思いで登山道に下り立ち、手箱山へ登り返す

笹は深いですが、道はしっかりしています

急坂を頑張っていると、先程のソロの方が下りて来られた 「お気をつけて〜」

 

「ヤッホー」 巨大な仁王岩(石門)の間を抜け、吽形岩の上に立つ(岩の名は正式名称ではありません)

岩から登山道を見下ろす 周りにミツバピンクはありません 

 

4人が休まれている手箱山頂上で軽い食事休憩し、次は筒上山へ

数人とすれ違いながら稜線を引き返し、手箱越から鎖場向け石段を上る

5月とも思えない厳しい日差しに、「暑い、暑い」と言ってたら

修行中の行者さんが「雨よりましよ」と、笑いながら下りて行かれた

(土、日と全国的に異常高温 北海道の佐呂間町では、26日に39.5℃を記録したとか!)

 

鎖やロープを手繰って、一気に高度を稼ぐ

難所を登りきり、道場が建つ手箱越から手箱山への稜線を振り返る



まだ緑が薄いコメツツジの並木道を進む

この山はツツジが多いので、「躑躅王権現」と名付けられ、

それが筒上山の名前になったのでは、と云われているそうです

シャクナゲの様子見に、頂上手前で登山道を逸れ笹原を少し下る 

霊峰石鎚にエールを送るのは、2,3日後かな?



オオカメノキ越しに見上げる筒上山頂上

ゼーゼーハーハーと登り返し、 頂上で休んでいたら

手箱山でお会いしたご夫婦が到着され、北尾根をご一緒する



ヒカゲツツジは見頃、アケボノツツジもまだピンク色が残っている



淡い黄白色の花弁が可愛いヒカゲツツジの花言葉は「節制」

名の通り日陰に慎ましく咲くその姿に納得です



森に溶け込むように咲くゴヨウツツジ 清々しい美しさです

元号が「令和」となって、女性天皇や女性宮家創設の話題が賑々しいが

将来、天皇のお印になるかもしれません



名野川コースを下られるご夫妻を見送り、丸滝小屋まで登り返す

鉄橋を補修中の方々に感謝しつつ、安心して橋を渡り

程なくして、ミツバツツジと迫力ある丸滝が見えてきた

「岩黒山、どうする?」 「・・・・}

丸滝小屋でお茶休憩後、岩黒山は当然パスしてトラバース道をゆく

落葉を押しのけ、にょっきり  あちらにも此方にも、本葉を出したブナがたくさんです



フデリンドウ  「まぁ、こんな所で」と思うような場所に、ひっそりと咲いてます

ミツバツツジの向こうに、駐車場が見え出した

今日のミツバは、此処で咲いているのが一番綺麗〜♪


ふと見かけた案内板や道標が気になり、好奇心が膨らんでくる

それが、二人の山歩きの原点なんですが

今回も、謎めいた「石」に呼ばれ、5年振りに歩いた手箱山

「かむろ」は謎のままだけど、シャクナゲパワー全開の楽しい山旅でした


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