「イメージをトレースする山歩き地図 2」 (泉保 安夫) (株)美巧社
地図を見ていて、手箱山東尾根の「かむろ石」が気になった
どんな「石」なんでしょう?
山開くこの時期 ブナの新緑、ツツジやシャクナゲを楽しみながら手箱山を尋ねます
土小屋駐車場
(7:20)〜(9:15)手箱越
(9:30)〜(10:15)手箱山
(10:30)〜かむろ石
〜(11:50)手箱山
(12:05)
(12:40)手箱越
〜(13:10)筒上山
(13:40)〜(14:30)北尾根分岐
(14:40)〜(14:55)丸滝小屋
〜(15:35)駐車場
(8時間15分)
バス停南の駐車場には、5〜6台 まだ静かな土小屋です
満開のミツバツツジを潜り、スタート
程なく、石鎚スカイラインを上がってくる車の音が聞こえ出した
岩黒山南面をトラバースし、ゆっくり高度を上げる
岩黒山への道を左に分け、朝日が差し込み始めたブナ林を進む
清々しい空気が漲るブナの森で大きく深呼吸、眠気が一気に吹き飛びました
40分で丸滝小屋 ツツジはどうかなと、小屋裏を散策します
断崖縁のアケボノは終わり、ヒカゲも終盤でした
背後には精悍な姿の石鎚山 緑がそろそろ天辺に届きそうです
ロープを頼り、鉄橋を渡りながら、県境尾根東側の急斜面を下る
鞍部で尾根直登道を右に分け、ゴヨウツツジを楽しみながらトラバース道を行く
葉っぱが隠れるほど真っ白に咲いているのも素敵ですが
このくらいの花つきが、お淑やかなゴヨウツツジらしいということにしておきましょう
鞍部から10分弱で名野川コースが合わさり、少し下って寄り道
此方のゴヨウは、全体に花付きがまずまずです
登山道沿いの大岩に、シャクナゲの花がチラホラ見える
が、逆光なので上手く写せません
キレンゲショウマの群生地を過ぎ、不安定な鉄梯子を慎重に上がってゆく
城郭を思わせる高石垣横を進むと、覚心寺の道場
背後に溶岩ドームのような筒上山 あとからお邪魔しま〜す
小休止後、手箱山大権現の扁額がかかる鳥居を潜り手箱山へ
地面いっぱいに咲くワチガイソウが見送ってくれます
登山道北側で満開したばかりのシャクナゲ〜♪
どちらかというと陰樹のイメージですが、此処は日当たりも抜群
絶景に花を添えています
シャクナゲの髪飾りを纏ったベートーベンさん 元気でしたか〜
途中の窪地にシャクヤクもあったと思うが、もう終わったのかも?
この辺りは、オオカメノキがいっぱい 咲いたばかりで、とっても綺麗!
「瓶を彩るオオカメ」 如何でしょう
ピンクの小道になってるかと期待していたのに、ミツバツツジには花芽が殆ど無い
手箱山(1806.4m) 10時過ぎと時間も早いので、静かな山頂です
大瀧からだというソロの方と入れ替わり、笹原稜線を東へ
ゴヨウツツジは開花カウントダウン態勢ですが、どの木も花芽は少ない
大岩の石門手前で大瀧ルートと分かれ左へ
向かいの稜線に、黒い岩が見える 「あれが、かむろ石よ!」
雄大な笹斜面に一瞬躊躇したけど
大岩が醸し出す魅力に引き寄せられるように足が前に出た
薄っすら道があるような、無いような とにかく、大岩を目指し進んでいく
笹に足をとられながらも何とか尾根を乗り換え、アケボノやミツバの中を少し下ると大岩が近付く
姿、形と言い、その独特の存在感に圧倒されます
辺りに大きな岩も無いので、これが地図に載る「かむろ石」でしょう
ところで「かむろ」って?
「禿」or「神室」、神が天から下りて来る場所、神籬(ひもろぎ)?
基部を周ってみたが、祭事が行われている(いた)とかの雰囲気はありません
ですが、名がつくほどの石ですので、おそらく山岳宗教に根ざす神聖な場所だと思います
余談ですが、ここから北側に標高差300mほど下った所に、
「
氷室があり、仁徳帝の昔から毎年6月1日に氷を献上したと云われている」(本川村史)そうです
「かむろ」と「ひむろ」、全然脈絡が無いんですが、(玉)手箱にはいろんなロマンが詰まっている
かむろ石から東の展望 稜線北斜面にシャクナゲのピンク色がポツポツ見える
真下に、大瀧ルートの登山道 背後に重なる山並みを包む緑の、なんと綺麗なこと!
かむろ石のすぐ北側に、満開のシャクナゲ〜♪
「よくぞここまで! ゆっくり楽しんでください」とでも言いたそうに、誇らしげに咲いています
アケボノがほぼ終わり、ミツバも期待外れの中、一人頑張る桃色天使の微笑です
かむろ石を振り返り見ながら、急斜面をダイレクトに下る
やっとの思いで登山道に下り立ち、手箱山へ登り返す
笹は深いですが、道はしっかりしています
急坂を頑張っていると、先程のソロの方が下りて来られた 「お気をつけて〜」
「ヤッホー」 巨大な仁王岩(石門)の間を抜け、吽形岩の上に立つ(岩の名は正式名称ではありません)
岩から登山道を見下ろす 周りにミツバピンクはありません
4人が休まれている手箱山頂上で軽い食事休憩し、次は筒上山へ
数人とすれ違いながら稜線を引き返し、手箱越から鎖場向け石段を上る
5月とも思えない厳しい日差しに、「暑い、暑い」と言ってたら
修行中の行者さんが「雨よりましよ」と、笑いながら下りて行かれた
(土、日と全国的に異常高温 北海道の佐呂間町では、26日に39.5℃を記録したとか!)
鎖やロープを手繰って、一気に高度を稼ぐ
難所を登りきり、道場が建つ手箱越から手箱山への稜線を振り返る
まだ緑が薄いコメツツジの並木道を進む
この山はツツジが多いので、「躑躅王権現」と名付けられ、
それが筒上山の名前になったのでは、と云われているそうです
シャクナゲの様子見に、頂上手前で登山道を逸れ笹原を少し下る
霊峰石鎚にエールを送るのは、2,3日後かな?
オオカメノキ越しに見上げる筒上山頂上
ゼーゼーハーハーと登り返し、 頂上で休んでいたら
手箱山でお会いしたご夫婦が到着され、北尾根をご一緒する
ヒカゲツツジは見頃、アケボノツツジもまだピンク色が残っている
淡い黄白色の花弁が可愛いヒカゲツツジの花言葉は「節制」
名の通り日陰に慎ましく咲くその姿に納得です
森に溶け込むように咲くゴヨウツツジ 清々しい美しさです
元号が「令和」となって、女性天皇や女性宮家創設の話題が賑々しいが
将来、天皇のお印になるかもしれません
名野川コースを下られるご夫妻を見送り、丸滝小屋まで登り返す
鉄橋を補修中の方々に感謝しつつ、安心して橋を渡り
程なくして、ミツバツツジと迫力ある丸滝が見えてきた
「岩黒山、どうする?」 「・・・・}
丸滝小屋でお茶休憩後、岩黒山は当然パスしてトラバース道をゆく
落葉を押しのけ、にょっきり あちらにも此方にも、本葉を出したブナがたくさんです
フデリンドウ 「まぁ、こんな所で」と思うような場所に、ひっそりと咲いてます
ミツバツツジの向こうに、駐車場が見え出した
今日のミツバは、此処で咲いているのが一番綺麗〜♪
ふと見かけた案内板や道標が気になり、好奇心が膨らんでくる
それが、二人の山歩きの原点なんですが
今回も、謎めいた「石」に呼ばれ、5年振りに歩いた手箱山
「かむろ」は謎のままだけど、シャクナゲパワー全開の楽しい山旅でした
歩いた道 ホーム