2019年09月02日 ”禿ノ峰・龍王山”





雲を呼び雨を降らす霊力を持った龍は、蛇を神格化したもので

古来より、五穀豊穣、雨乞いの神として尊崇されました

山を歩いていると、龍神(水神)信仰の対象となる八大龍王を祀った祠や石碑をよく見かけます

八大龍王とは


仏法を守る八体の龍神(以下のカッコ内)の事で、その中の娑伽羅龍王が海や雨を司るだそうです

(難陀(なんだ)跋難陀(ばつなんだ)娑伽羅(しゃがら)和修吉(わしゅきつ)・

徳叉迦(とくしゃか)・阿那婆達多(あなばだった)・摩那斯(まなし)・優鉢羅(うはつら)

寺院の天井に描かれたは防火の守り神、

竜巻現象は龍が天に昇っているので「龍巻」だとか、初めて知りました

ツクツクボウシに送られて、今日は阿波池田の山へ


禿ノ峰 (往復15分)

吉野川・馬路川・野呂内谷に囲まれる山地の最高峰・禿ノ峰について

ウィキペディアに次のように紹介されている

「山頂を竜王ノ森と呼び、権現の小祠があり、少し下って天神社がある

昔、雨乞いが行われたときは、南麓の馬場集落から2人の使者が

中津山の中津大権現へ参詣して火種を受けて帰り、その火を用いてこの山で雨乞いをしたといわれる

最後に行われたのは1946年(昭和21年)であった(池田町史)」



国道192から県道268(雲辺寺方面への道)に入る 井ノ久保集落では夏と秋とがせめぎあい

 かなり高度を上げ分岐を右へ入るとすぐ妙見神社 どこからともなく犬が2頭現れ吠えられる



龍王神社への分れを過ぎ、快適なスカイラインを走る どこかに展望場が欲しいです

路肩に車を停め、左の林道に入る 前線が北に上がったので朝から蒸し暑い



5分ほどで前方が開け、広場に大きな電波塔が建っている

広場手前左の林をちょっと駆け上がると権現跡の碑

ここの雨乞い神は、竜神様じゃなく中津山の大権現様なんですね



碑の直ぐ近くに、三等三角点(854.26m 点名・馬場)

NHK池田中継局 TVでよく目にする池田からの中継映像はここからでしょう

林に囲まれ展望はありません 少し切り開いてくれたら吉野川も見えるんですが


龍王山 (往復25分)



続いて龍王山へ 車道を引き返す途中、吉野川下流方面を見る

分岐に車を停め、林道を緩やかに下ってゆく



6分で分岐(左写真) 右は三角点(30mほど奥の左上にあります) 後から寄ります

左に道なりに進むと、すぐ竜王社の道標



奥に少し進むと、林の中でひっそり佇む竜王神社

禿ノ峰では馬場集落の人々が雨乞い神事をしたそうだけど、ここでは井ノ久保集落の人々かも?



引き返し三角点へ ピンクテープに導かれ薄い藪をかき分けると三等三角点(732.2m 点名・井ノ久保)

竜王山の標柱が立っている(地理院地図には、近くの794mpに龍王山と表記されています)

超省エネ、2山合計40分の龍様を尋ねる山旅でした


流域面積が四国の約20%を占める大河・吉野川が流れる阿波の地に

竜神さまが祀られた山が在るのは発見です

雨が降っても、吉野川にすぐに流れ落ちてしまう急傾斜地の人々は、

真下の大河を眺め、溜息を吐いていたかもしれません

昔は(今でも?)、水の確保は神をも頼る切実な問題だったんですね


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