2019年11月16日 ”雨ヶ森・安居渓谷”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る



(大規模林道より、肩をいからせた雨ヶ森を望む  2019.3.24)

高知新聞社(昭和64年4月24日初版発行)の「四国百山」に拠れば

「頂上には『雨ヶ森さま』があり、今も旧暦3月24日が縁日。昔は子供にとって

楽しみの一日で、弁当持参で大人と一緒に登った。人出は百人以上。時には雨乞いもやり

頂上で打つ大太鼓の音は、ふもとの大西地区まで聞こえたという」

今日は、「信仰の山、険しく」と紹介される雨ヶ森を尋ねます

登山口(7:20)〜(9:05)岩屋(9:15)〜(10:00)頂上(10:15)〜(10:50)岩屋(11:00)
(12:10)滝分岐・足山の滝往復(12:25)〜(12:35)登山口      (5時間15分)



国道494号から分かれ、狭く急な坂道をどんどん上る 終点手前が「雨ヶ森登山口」

2分で、「憩いの水辺 双龍の滝 50m」の標識 ちょっと寄ってみよう



朝日が当り始めた岩柄集落

「双龍の滝」 滝壺に一筋の滝が流れ落ちている 水量が多ければもう一筋見られるのかも?



登山道に戻り、よく手入れされた植林を見ながら、石積みの間をゆく

歩き始めて10分で、「神秘の名瀑 足山の滝 徒歩5分」の標識 帰りに寄ります

注連縄を潜り、登山道を進む



左の大岩に水が滴り落ちている これも、滝かな?

大岩のすぐ上に回り込み、小さく切り返しながら急坂を登る 黄葉に朝日が当り、輝き始めた



1時間弱で、標高900mの標識

100m毎に高度標識が設置されているそうですが、殆ど字が褪せ消えていました

ここから10分弱トラバース気味に進むと、沢に出る 

此処から岩屋まで沢沿いのしんどい道が続きます



沢を渡り沢沿いに登る 露岩が目立ち始め、次第に道が薄くなってきた

再び沢を渡る この辺りから、赤テープを追って進んでゆく



見上げんばかりの急登にため息が出ますが、一歩、一歩です

「雨ヶ森は岩柄集落の人たちにとっては、遥かに天を突く山頂まで神聖な神の森であり

山名の由来も天(あま)の森が転訛したのではないかと想像される」(四国百名山 山と渓谷社)

そうなんです 2.6km歩いて900m高度を上げる ということは平均斜度約20度 しんどいはずです

ガレ谷を見上げるとロープが渡されている 谷這い上がりも出来そうですが

 此処はテープに従い、向かいの巨岩を右にへつりロープ場に出る



ロープ場は、弛み、強度に注意して足を運びます

急峻な沢沿いの道は、木の根や岩に落葉が積もって余計に歩き難い



沢沿いの道と格闘する事40分余り、前方にアーチ状の大岩が見えてきた

ヒノキ木立に囲まれた岩屋 岩伽羅神社の2回目の遷宮跡だそうです

デッカイ岩屋に小さな祠 中に、木彫りの人形(ひとがた)が祀られている



岩屋の右を少し登ると尾根に出る ほっと一息 眩いばかりの紅葉、黄葉〜♪

ブナも出て来ました〜♪



尾根に出て20分ほど進むと、岩場が現れる(標高1300m付近)

岩場を乗り越え、小休止 右に本峰の肩が見える



さぁ、しんどかった登りも終わりが見えてきた あの頂が待っている

春にはピンク色の花をつけ登山者を楽しませるアケボノツツジや、森を緑に染めるブナは

葉っぱを落し、すっかり冬支度です



気持は急きますが、左側が切れ落ちて気が抜けません

さぁ、あと一息 笹が覆う急坂の先に天辺が見えてきた



登山口から2時間40分 「雨ヶ森さま」が祀られていた石祠が迎えてくれます

茅や灌木が視線を遮るので、背伸びして360度の絶景満喫です



2009年3月21日(左写真)は座って展望を楽しみました

北には、「焼畑最終の村」と呼ばれる椿山集落の峰が横たわり、

奥で天を突くのは、もちろん石鎚山

 

遥か南で天を突くのは中津明神山 手前は雑誌山の山塊

今年3月31日に歩いた「雑誌越え、予州高山通り」 寒さに震えた記憶が蘇る

15分ほど貸切の大展望を楽しみ、木の間に筒上山や手箱山など見ながら下山します



難所の岩場やロープ場も過ぎ、ヤレヤレ 

陽が高くなり、黄葉が一段と鮮やかさを増してきた

ゴール間近で登山道を逸れ、5分ほど登り返すと、二段に落ちる「足山(たりやま)の滝」が現れる

青空に紅葉、滝壺上に薄っすらと虹がかかり、まさに「神秘の名瀑」です

植林帯、ガレ沢、尾根筋の急坂3バリエーションをこなして山中5時間15分

厳しかったけれど、面白い山行でした



帰りの車道から、雨ヶ森方面を見上げる

応神天皇にちなみ、現在は菅原道真公を祭神とする岩伽羅神社に参拝

元々は、雨ヶ森山頂に祀られていたが、山道が険しく、岩屋に、そして麓にと遷宮されたそうです


池川439交流館(山村レストランよさくらぶ)でお昼をいただき、紅葉真っ盛りの安居渓谷へ向かいます

安居渓谷



県道安居公園線を走り、宝来荘手前の「大関」に車を駐車

渋滞を心配しましたが、すんなり来れました

駐車地点から500m程で、宝来荘 直ぐ上の宝来橋から、宝来荘を振り返る

大岩が転がる「荒男谷」



「乙女河原」に下り、沈下橋を渡る



遊歩道を進むと、落差30m、渓谷のシンボル「飛龍の滝」

水量が多い時は、下段がカーテンの様に連なるそうです

滝を囲む絶壁を彩る紅葉 たくさんの人がカメラを構えています



「大関」まで帰り、県道を奥に走る

途中の駐車場に車を停め、「水晶淵」を散策

ネイチャーフォトの写真家、高橋宣之さんが名付けた「仁淀ブルー」



滝前に車道が走る「背龍の滝」 水量は少ないですが、滝には紅葉が似合います

「ころび岩群」 巨岩や紅葉を楽しみながら遊歩道を歩く


 
「大岩淵」と、「せり割り洞穴」 ちょっと覗いて見ましょう 行き止まりでした



迂回路 林道成川樫山線(かなり遠回りになります)に入り

高度を上げてゆくと、安産の神様・東陸様(とうろくさま)

尚も林道を走ると、大瀧龗神社(おおたびじんじゃ)

龗(おかみ)とは日本神話に登場する水の神で、祈雨や止雨を司るという

栃木県神社庁のホームページに「応仁元年(1467)創建の高龗神社(たかおじんじゃ)が鬼怒川沿いに在り

早魃時には雨祈を、増水時には洪水除けを行い、秋の豊かな実りを願って祀られた」とある

闇龗神(くらおかみ)が谷間に流れる川を司る龍神で、高龗神(たかおかみ)が山に降る雨を司る龍神だとか

思わぬところで、龍神さまに会えました


 
林道から、「昇龍の滝」を見下ろす 水量が多ければ、落差60mの見事な3筋の滝が流れ落ちるそうです

近くに「降龍の滝」がありますが、ここからは見えません

向かいに龍王山(別名フジヤダキ)



時間が有れば「安居銅山古道」も歩き「縄文桂」を見たかったんだけど、時間は4時

またの機会にしましょう

神々しい姿の筒上山・手箱山を見上げ、山旅を締め括りました


雨乞いの龍は居ないかと尋ねた雨ヶ森、集落近くの双龍の滝の他は見当たりませんでしたが

安居渓谷の紅葉の中に、いっぱい龍がおりました!

ところで、仁淀川町と言えば400年の伝統を持つ神楽舞の里

土佐三大神楽の一つ「池川神楽」は、国指定重要無形民俗文化財です

11月23日、秋深まる山麓の池川神社にお囃子がこだまし古式ゆかしい神楽が舞われる

神楽に「龍の舞」って無いのかな?

歩いた道  ホーム