2020年06月27日 ”愛媛の龍巡り”




今日は高縄半島をグルっと回り、西条市、今治市、松山市の10社を訪ねます

昼前には日が差し始めましたが、雨の中の龍巡りは結構疲れました



加茂川を渡り、燧灘に突き出た堤防を走る

江戸時代、干拓によって造られた禎瑞新田では稲が元気よく育ってる

正面にデ〜ンと構えている霊峰石鎚は、残念ながら雲の中

東は未だ雲が薄く、赤石山系、赤星山のラインが美しい


西条市禎瑞 「龍神社



堤防北端に鎮座する「龍神社」 (ご祭神 大和田(綿?)津美神 豊玉比売神)

寛政11年(1799)、大海を司る神が勧請され西條藩主によって創建される

 

狛犬に迎えられ少し急な石段を下りてゆく  乙女川に浮かぶ本殿  

車に戻ってたら、急に大粒の雨が落ち出した



西条市広江 「龍宮神社



 グーグルでは「龍宝神社」となっていますが

石碑を見ると「点」がありません 「」は、「宝」ではなく「宮」だと思います



西条市河原津 「大崎龍神社





大崎龍神社(祭神 和多津美神)

建武(1334〜)の昔、民人が大岩の上で龍神の夢を見て目覚めたら、一蛇がいたので社を祀ったという

(一説には、天正、文禄(1573〜1595)の頃、庄屋が方位除けのため勧請したとある)

元は、永納山山崎に鎮座する古社であったが、300年くらい前に現在地に遷座された

夏祭り(おかげん)は県の特殊神事に指定され、二双の船を繋いだお召船に神輿を乗せ

それに南中北の注連組のお供船を従えて海上渡御を行う勇壮華麗な夏の祭典であったとか

今は、干拓のため海岸線が遠くなり、お召船だけの渡御となっているそうです



西条市河原津 休暇村瀬戸内東予 「龍神社」
 


今治市孫兵衛作の医王山麓に広がる「医王池」(通称 蛇越池)

池の東南隅に広がる湿地帯には約80種の植物が自生し、県の天然記念物湿地植物に指定されている

トキソウ、カキラン、ミソハギ、サギソウ等、沢山の湿地植物が楽しめます

この地に、優しい龍にまつわる話(今治商工会議所「今治地方の伝説集」)が残る

昔、この地方に大日照りが続き、桜井の孫兵衛作村の田んぼの稲はすっかり枯れてしまいそうになり

村人たちは、この村にある池の樋を全部抜いてしまうことにしました。

池には1匹の大蛇が住んでいましたので、どんなことが起こるかわからないと反対する人もいましたが

どうにも仕様がなく、大蛇に事情を話して樋を全部抜くことにしました。

大蛇は長年住みなれていた池に
名ごりを惜しみつつ、何度も振り返りながら、泣く泣く池の東の小山を越えて海辺へ出て行きました。

このあたりの湿地帯が、お天気のよい日でも黒っぽく湿っているのは、その時の大蛇の涙のあとだといわれています。

おかげで稲は生きかえり、豊作を迎えた村人たちは、大蛇を『龍神様』としてお祭りすることにしました。



休暇村瀬戸内東予に車を停め、「自然の小径」を歩いて龍神社を尋ねる

この道は、日本野鳥の会愛媛県支部による野鳥観察会が毎月開かれているそうです

この時期、キビタキが渡ってくると案内板に書かれていたけど、「ピッピッ クルルッ」って聴こえてこないかしら?



遊歩道を緩やかにアップダウンしながら進むと、巨岩「天狗岩」



遊歩道突端に佇む「龍神社」



今治市湊町 「小湊城龍神社



曹洞宗城慶禅寺背後の小高い森が、龍神社が鎮座する小湊城跡



山門前にある案内板



城慶禅寺手水舎横の細い道を登ってゆくと、山頂直下に小湊城龍神社が鎮座する



雨が小降りになり、山頂からしまなみ海道が薄っすら見える



今治市波止浜 「龍神社



立派な鳥居を潜り石段をあがってゆく



龍神社(ご祭神 彦火火出見尊 鵜茅葺合尊 豊玉毘古命 豊玉毘賣命)



由緒を要約すれば「塩田の開築の難工事を願い、近江の国から八大龍王を勧請し

仮宮(※宮ノ下の荒神社)に祀り、天保3年(1683)、現在地に遷宮する

水を司る神、五穀豊穣の神、海上安全の神、河川堤防を防ぐ神、また雨乞いの神として信仰されてきた」



今治市波方 「龍神社



639年舒明天皇下向の折、産土神として創祀されたのが玉生八幡神社(玉生宮)

その境内社の一つ「龍神社」

(たくさんの境内社の中に、竜王神社や石鎚神社もありました)



今治市大西町 「九王龍神社



丹後半島伊根の舟屋を思わせる建物が波に洗われている



九王龍神社

神武天皇が東征の砌、航海の安全を願って龍神が祭祀されたと伝わる

古事記(712年成立)や日本書紀(720年成立)に拠れば、神武東征は2800年余りも前の事です

藩政時代には、「宅間郷古宮九王龍神」が雨の神、海の神、農業の神として信仰されたと

国史見在豫洲神社録に載る



龍の鬼瓦が、勇ましい



時代の移り変わりを見守る、海中の鳥居



九王龍神社に伝わる「継獅子」は、伊勢代神楽の流れをくむ伝統芸能で

200年余りにわたり、祭神の海上渡御の先導として春祭りで披露されてきた

写真は、13年前に訪れた九王龍神社の船上継ぎ獅子

九王浜で行われた四継ぎ獅子に大喝采したことが思い出される



春祭りで賑わう浜に、今は可愛いハマナデシコやツルナが咲いていた



今治市菊間町 「龍神宮



この辺りだと思いながら瓦工場が並ぶ国道196を走っていると、鬼瓦の大きなレリーフが眼に飛び込んできた



「龍神宮」

菊間瓦の里に佇む社は、扁額も賽銭箱も瓦です



松山市高浜町白石ノ鼻 「白石龍神社」



県道39を走り、白石ノ鼻へ



白石ノ鼻突端の海に、絶妙なバランスで積み重なる「三ツ石」

興居島との間の海峡に呉や小倉等を結ぶ航路があり、フェリー、高速艇が行き交う



龍神社 (ご祭神 彦火火出見尊 豊玉姫命 豊玉彦命)

地元では「りゅうぐんさん」と呼ばれ、五穀豊穣、海の神様として崇敬されているそうです

朝の雨が嘘のように、海の青が日に輝いて綺麗〜♪

龍神様の計らいかな?

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