2020年08月23日 ”新宮龍巡り”

今日は処暑

少しは暑さが和らぐかと期待しましたが、なんの、なんの

一雨降って大地を冷ましてくれたら、ちょっとは違うんだろうけど・・・

台風8号が東シナ海を北上していて、益々暑くなった

お山の天気もはっきりしないだろうし

今日は、お茶と清流の里・新宮界隈を巡った後、黒沢湿原散策です


新宮町上山 素鵞神社(龍王宮)



康永3年(1344)10月勧請と記した、明治5年書き改めの棟札がある素鵞神社は

ご祭神が、建速須佐乃男命と 奇稲田姫で、 地元では「天王さん」と親しまれています

(調べていたら、室町時代・応永3(1396)年創建と伝えられるとも)

10月最終日曜日に催行される秋祭りは

永正8年(1511)、宇摩領主として入府した公家・日野氏が、祇園神社(八坂神社)を偲んで始めたと伝えられ

きらびやかな神輿や屋台の練り歩きなど、平安絵巻さながらの情景が繰り広げられます

神輿のお供の屋台には、烏帽子を被った公家装束の少年たち7人が乗り

笛、太鼓、鉦を鳴らし神楽を披露しながら境内を練る

屋台は大きく左右に揺さぶられ、子どもたちは柱や手すりで体を支えながら懸命に演奏する

地元の方々が支えて来た、この屋台行事は、愛媛県では他に類例のない文化遺産として

四国中央市の無形民俗文化財に指定されています

 

四面唐破風を設えた精巧な造りの 本殿(写真の一番奥)は、1本のケヤキで造営されたという見事なもの

境内には、宇摩地方で唯一の出雲神社(一番手前)、龍王宮(写真中央)、若宮神社、権現社等が祀られる

出雲神社本殿正面扉の脇羽目彫刻は、今にも天に舞い上がりそうな龍です


新宮町上山 安楽寺



風化土壌の傾斜地に植えられた茶は、銅山川から湧き上がる朝霧に包まれ香り高い茶葉に育つ

新宮茶の抹茶を塗した「霧の森大福」は全国区です

茶畑を振り返りながら坂道を上がってゆくと

本尊阿弥陀如来、脇侍に弘法大師、不動明王が祀られた無量壽山阿弥陀院安楽寺

安楽寺縁起に拠ると、天正11年(1583)に創建され、天保14年(1843)類焼により本堂焼失

現本堂は唐様の三間堂で、安政元年(1854)に再建されたそうです



堂自体が装飾性の高い彫刻の塊で、 垂木の部分に龍を彫った板軒が施されているのは大変珍しい

(四国で軒板を使った著名な建築物は、

幕末期(1837)に建立された金毘羅の旭社、八番札所熊谷寺、十五番札所三角寺)

宝珠を持つ阿形、吽形の龍が瑞雲の中から今にも飛び出しそうで、大迫力です

新宮村の伝説「龍王さんの火と雨乞い」(宇摩史談要約)

「上山の寺内にある安楽寺本堂は、昔、「龍王さん」のケヤキで造ったと言い伝えがある。

「龍王さん」には、ケヤキ、モミなどの大木が鬱蒼と茂り昼なお暗い森であったという。

中でもケヤキの大木は御神木と崇められるほど巨大であった。

祟りを畏れて反対する者が居る中、本堂再建に伐ることとなった。

ところが、木挽きは全然捗らず、翌朝になると鋸屑が伐り口を塞ぎ元通りになってしまうのです。

そこで、伐り込む都度、鋸屑を燃やしお坊さんにお経をあげて貰いようやく伐ることが出来たのです。

そうして、本堂造営が叶い落成式も終わった晩、「龍王の森」から火の玉が飛び出し

一瞬のうちに本堂が焼け落ちたのでした。

「龍王さん」の御神木を伐った祟り」として言伝えられている

「龍王さん」には、龍神を祀っていた社が在り、日照りが続いたときは宇摩郡中の人々が集まり

阿波三好郡三名村の野鹿ノ池から運んだ清水を、社の直ぐ下の雨乞い淵に注ぎ雨乞い祈願をしたそうです」




安楽寺隣接の稲茎神社 安楽寺が別当を務める

永正8年(1511)、室町幕府第10代将軍足利義稙から宇摩郡を賜り上山に入府した公家・日野光朝が

天正7年(1538)、室町幕府第12代義晴の時に勧請したと伝わる

主祭神は、大穴牟遅神、少名毘古那神、稲倉魂神、幼産神

本殿横に祀られた境内社(若宮社 天満神社 栗尾神社 歯神神社 二宮神社)



国道319沿いで、枝がたわむほど実をつける栗 今年は、豊作みたいです

縄文時代初期から食用にされてたらしいが、もう直ぐ栗ご飯の季節ですね〜

川面に姿を映すのは、橋長173.5mのトラス橋・Jr土讃線吉野川第一橋梁

絵になりますねぇ  タイミング良く電車が通らないかな?


黒沢湿原



サギソウ           エゾミソハギ



シオカラトンボ            ミズトンボ



キセルアザミ         振り返れば、団体さんの列が続く(総勢約70人だとか)

「此処は尾瀬」かと、見紛いそうでした



蓮沼手前の東屋で休憩し、たびの尻滝に向かわれる団体さんをやり過ごす

沼一面の睡蓮〜♪   ヒツジグサは未の刻までお休み中です



イナゴの夫婦(一回り小さい♂が、♀に負んぶされています)     

蓮沼に棲むトンボたち   翅が美しいチョウトンボ



爪楊枝ほどの小さい小さい、キイトトンボ           紅一点は、ショウジョウトンボ



オオイトトンボ、葉っぱに隠れているつもりなのかしら

しきりに飛び回る、シオヤトンボ?

風は涼しいけれど、照りつける日差しに追い立てられ駐車場へ向かってたら

目の前で車が停まる 何と、何と絶妙のタイミングで、アカリプタさんと嬉しいバッタリでした〜♪


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