2012年04月15日  ”鋸 山” 

この時期限定 宇摩平野を見下ろすカタクリと展望の山



GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号


林道登山口(10:15)〜(10:40)法皇線〜(11:30)豊坂分岐〜(12:00)七々木山〜カタクリ群生地(食事)
(13:10)
鋸山〜(13:30)鋸山登山口〜(13:40)法皇線〜(15:00)林道登山口    (4時間45分)



四国中央市寒川町に聳える鋸山(のこぎりやま、1017.4m)は、名山にも入らずとりたてて特徴のある山ではない

でもこの時期だけは多くの登山者を引き付ける お目当ては頂上直下をピンクに染める山桜と、稜線を埋めるカタクリ

自宅から見上げる頂上付近はまだ無彩色、でも気温も上がって来たのでカタクリはそろそろかな? ちょっと様子を見てこよう

鋸山へは、林道法皇線から分かれ未舗装林道を七々木方面に上がり、峠(4、5台駐車可)を回り込んだ右手からが省エネコース

他には、西の豊受山からの稜線縦走コースがあるが、今日は北側から周回してみます



今朝は所用で何時もより遅い出発です 豊岡台団地の上から細いダートな林道に入る

何度もヘアピンを繰り返しながら、標高600m位が登山口(木に赤テープ有) 入口に割れたプラスチックの標識が倒れている

10時15分 林道脇に駐車し歩き始める 帰りは林道を下りて来る予定です

植林の中の道をゆっくり高度を上げる 道は確りしているが雪が乗れば少し分かり難い所があるかな?



5分で作業道に出合い、真っ直ぐ進む 

作業道から分かれ掘割の道をゆく 掘割の土手に上がり右を見れば「やまじ風」のふるさと豊受山



左下の樹間に林道が見え出し、20分で上の登山口からの道に合流

尚も植林帯を頑張ると前方が明るくなり、延伸中の林道法皇線(法皇スカイライン)に当たる



法皇線を横切り、再び登山道に取り付く

この道は、北側の豊岡と南の富郷とを結ぶ往還だったのだろう 掘割の深さが歴史を語っている



木に吊り下げられた鉦(フライパン)を打ち、動物たちの生活空間に足を踏み入れたことを告げる

この辺りはイチゲやコバイモがありそうな雰囲気じゃねぇと言いながら、足下を見ると

あら、かくれんぼが好きなトサコバイモが鉦の音にびっくりしてお目覚め〜

それにしても、よく目を凝らさないと見過ごしてしまいそう

あなたはそんなに可愛いのにもっと自己主張する気は無いの?と、思いたくなるほど周りの色に溶け込んでいる



芽吹き前のトラバース道は明るくて気持ちが良い  やがて植林の中のコル、豊坂分岐の標識が立つ

右は豊受山、左が鋸山 向こうに下りれば富郷町豊坂

豊受神社にお参りする時間はあるけれど、今日は失礼してパスし左へ 鋸山を目指す

自宅から西を望めば、鋸を寝かせたようなギザギザの山並みが目に入る

その一番東の一際尖ったピークが鋸山 恐らく「ノコギリの歯のような山」が山名の由来なのだろう



豊坂分岐からは法皇山脈の主稜線を歩く 自然林に囲まれた林床には、ハルトラノオの大群生

カタクリほどの派手さは無いが、一本一本よく見ると 真っ白い米粒を穂先に一杯付けて春の日差しを楽しんでいる

カタクリに劣らず群立の美を演出するあなたたちも、間違いなく早春の森の主役ね〜

稜線歩き30分、登山道から少し逸れて七々木山三角点(1145.2m)



三角点からは大展望が広がっている ここは法皇山脈のど真ん中 

西には豊受山、赤星山、二ツ岳  東はこれから向かう鋸山、翠波峰 遠くには剣山系まで見渡せる



七々木山からは急下降、木々に掴まりながら転げるように下りて行く 

下りきれば植林帯 フラットな植林帯は道は薄いが、そのうち自然林となり尾根が確りしてくる



少し上り返せばお目当てのカタクリ群生地 春の日差しを受けて林床一面で開花の準備中

周りでは開花を促すように木々が芽吹きを待っている 林床の花の開花より先に木々が芽吹き、日差しを遮ることは無い

森には、より小さきものをいたわる優しいルールがある 鋸山の手前まではカタクリ街道、一面ピンク色に染まるのはもう少し先

来週くらいから、カタクリの老舗「なすび平」や赤星山に先駆け賑わうことだろう

ピンクの絨毯を想像しながら、蕾に囲まれた陽だまりで赤飯のお弁当



テーブル岩からは眼下に四国中央市の市街地、沖には燧灘、稜線を吹き抜ける風は心なしか潮の香りがする 

鋸山の主・山桜の枝先は少し赤みを帯びてきている この桜が咲けば今年の桜巡りも一段落

テーブル岩から東へ少し進むと鋸山三角点(1017.4m)



三角点からは広い道をゆっくり下ってゆく あれがコシアブラかな?と、きょろきょろしながら20分ほどで林道に出る   

ここが鋸山省エネコースの登山口  さぁ、ここから駐車地点まで長い林道歩き(注、地図には一部林道は表示されていません)



林道法皇線に出会い左へ 右は翠波高原へ 林道歩き途中で前方から来た車が停まり、「鋸山はどこですか?」

春の陽気に誘われて気軽にカタクリ見物かな?  燧灘を眺めながら暫しコーヒータイム

法皇線から分かれ、豊岡台への林道を下り駐車地点に向かう



右を見れば、鋸山と中腹に今歩いてきた林道法皇線 どんどん下るとヘアピンカーブが上の登山口

 ここから少し上れば今日歩いた道に合流し駐車地点まで近道だけど、天気も好いのでイタドリでも探しながらのんびり林道を歩く



四国中央市名物のスカイツリーや、開花間近の山桜の古木を眺めながら歩いていると、いつの間にか駐車地点

今日は、前から気になっていた豊受山北面コースを使っての鋸山周回

お目当てのカタクリや山桜には少し早かったが、林床のあちら此方に春の息吹がいっぱい

柔らかい日差しの下、故郷の煙を眺めながらのんびり稜線歩きが出来ました

お山の春は林床から、これから一雨ごとに山全体に広がってくるだろう

四季を通じてメジャーな山に引けを取らず、 この時期限定の鋸山も森のルールに従い春を迎えようとしている

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