金毘羅街道を歩くのは、
2007年12月に歩いた「丸亀街道」以来です
金毘羅参詣五街道のうちの一つ、「高松街道」は
藩主松平家のお成道とも呼ばれ、高松城下から続く八里の街道です
今回歩くのは、ほんの一部なので距離は短いけど、朝から蒸し蒸しと暑い!
ことでん岡田駅
(9:00)〜(10:30)祓川橋
〜(11:35)一之橋
〜(12:10)本宮
〜(12:40)奥社
〜(14:10)P
(5時間10分)
市営駐車場に車を停め、ことでん琴平駅へ 高灯籠に見送られ出発
10分で、NEWレオマワールドの玄関口・ことでん岡田駅
駅前を東へ 小津森交差点から金毘羅街道(グーグルマップに標示あり)に入る
香川用水の流れを見下ろすように建つ灯籠 (明治十一寅歳四月 建立)
三叉路に「右 金毘羅 左大川 道」の道標 (明治四十三年四月 建立)
刈り入れが済んだ麦畑の向こうに、飯野山
整然とした広場に、「打越下池之碑」と「旧岡田上村政所久次郎紀功之碑」の立派な碑が建つ
綾歌町教育委員会編「綾歌町史(1976年)」に拠れば
「農民は日照りを気遣いながら、打越池古池や天水を頼りに細々と水田を養っていました。
父の遺志を継いだ
岡田村大庄屋・木村甚三郎は、10数年にわたり藩に新池築堤を請願し許可される
甚三郎は田畑を売って資金を捻出、3年かけて文政12年(1829)に打越下池を完成させました」
「藩政時代、岡田上村政所久次郎は村の将来を憂え、新しい池を
築いて岡田の地に水を引くことを決意しました。
私財を
投げ打ち、2年の歳月をかけて、寛永10年(1633)現在の「亀越池」を築き、岡田の地に水を引きました。
村人たちが久次郎翁の労苦を想い、遺徳をしのんで踊ったと伝わる「岡田おどり」は、毎年8月に碑の前で踊られている」
水にまつわる話は、枚挙にいとまが無いですねぇ
赤坂小学校跡(明治七年〜明治十二年)と並んで建つ灯籠は、ちょっとスリムです
さぬき十景 こんぴら道と灯籠(明治三十八年 乙巳九月吉日)
池畔で行き交う参拝者を見守る石像三体
真ん中に鎮座する石像は、阿弥陀如来様かな?
西山と中津山の狭間に築かれた羽間(はざま)大池
街道が池を回るように通るので「まわり池」とも呼ばれていたそうです
県道282号線を横切り、国道32号線のガードを潜り、「残念坂」と呼ばれる坂を緩やかに下りてゆく
法然上人の御遺蹟に建立された名刹・西念寺
「建永2年(1207)、法難によって遷された法然は、この地に草庵を営み念仏の教えを説いた
寛文8年(1668)高松藩主松平頼重公は、この古寺を仏生山に遷して法然寺と称し
その後丸亀の中津から西念寺を遷し、寺田三反余を寄進された」
。
立石と刻まれた石碑 何だろう?
道から100mほど逸れたところに「王尾内記と権太夫の墓」
説明板に拠れば
「大井八幡宮と金毘三十番神の兼帯社人であった内記と権太夫は
金毘羅大権現の経営に関して金光院を訴えたが、封建制下の常として敗訴となり
寛文11年(1671)11月11日、秡川刑場にて一族が処刑される
その後、金光院に不幸が相次いで起こり、怨霊の祟りをおそれて
200年後の文久3年(1863)、処刑地の権太原に慰霊碑を建立して供養した」
寛政十戊午歳六月六(?)日
今日お世話になった琴電が走る先、大きくなった象頭山が手招いてくれる
祓川大橋を渡る この辺りでは、土器川を祓川と呼ぶ
金刀比羅宮へ向かう参拝者が、この川で身を祓い清めたためだそうです
橋を渡って右折、祓川公園の方へ堰堤を進み、鉄橋を渡る琴電を見ながら大休止
街道に戻り暫くすると、笠石に「大井」「金」の四條村の灯籠(明治十三年辰十二月)
この灯籠を過ぎると、旧榎井村に入る
「象頭山」の扁額がかかる大鳥居を潜り、街道の風情が残る街並みを歩く
アラ、こんなところに「凱陣」の酒樽
JRの踏切を渡り、丸亀街道を合わせて鳥居を潜る
この鳥居は、安政二年(1855)に奉納された花崗岩製の明神鳥居です
歌舞伎新町商店街のアーケードを抜け、一之橋を渡ろうとしたところで雨が降り出した
大した雨ではありませんが、参道を歩く人は少ない
表参道最初の一段を踏み出す、此処から本宮まで785段
一之坂鳥居の両脇に、1844年に奉納されたという備前焼狛犬が鎮座する
青銅の大燈籠を見て大門を潜れば、境内です
こんぴら狗に挨拶し、大汗をかきながら石段を上がってゆく
旭社前で大休止しているうちに、雨も止んできた
賢木門を潜ると辺りの空気が変わり、少し冷んやりしています
133段の御前四段坂を頑張り、本宮
拝殿で手を合わせた後、奥社へ向かう
崇徳上皇、待賢門院、大山祇神が祀られた、白峰神社
本宮から583段、表参道最初の一段から数えて1368段で、厳魂(いずたま)神社が鎮座する奥社
奥社から、おむすび山が居並ぶ讃岐平野を見下ろす
書院下の石段を下り、こんぴら狗から、裏参道へ
手入れの良き届いた植え込みや、天然記念物象頭山の杜を楽しみながら下山でした
蒸し暑い時の街中歩き13kmは、ちょっとしんどかったけど
大きな象頭山に手招かれて歩く高松街道は、ロマン漂う道でした
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