2021年10月28日 ”竜王山・敬天ノ滝”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る


今年8月、関ノ戸から金毘羅街道を歩いた時、

延命寺すぐ南の四つ辻に立つ「伊豫鉱山へ二里十八丁」道標が目に留まった

以前、遠目に鉱山跡らしきを見たことを思い出し、

調べていたら敬天ノ滝近くに竜王山もあるとか

紅葉には早いかもしれないが、朝の散歩がてらにちょっと尋ねてみよう


P(6:50)〜(7:13)竜王山〜(7:31)二ツ岳登山口〜(7:51)敬天ノ滝展望所〜(8:20)P 
                        (1時間30分)



県道131号を浦山川沿いに遡る

林道法皇線(通行止は解除中でした)に入り、中の川の(旧)登山口は通過します



舗装林道を何度かヘアピンしながら高度を上げ、(旧)登山口から約15分で終点

(林道はまだ続いていますが、車止めチェーン有り)

 駐車地点から見える尖がり山が(右写真中央)

安森さんの「四国赤石山系物語」に載っている竜王山(912m)です



山水画の様な岩峰群を見上げながら、林道を奥に進む



二ツ岳(新)登山口を確認し、なお林道を進む

(旧)登山口からの道に出合う



二ツ岳を振り返る 頂稜部に雲がかかり全貌は見えません

林道終点から竜王山へ



尾根通しの薄い道をたどる 終始植林で展望はありません

12分で竜王山頂上(912m) 林の中に祠が一基、竜神さんだと思います

周りの木々が無ければ、伊豫鉱山や峨蔵山系絶好の展望場です

遠くから鉱山の地鎮や鉱内安全を見守っていたのでしょう



林道を引き返す 伊豫鉱山のズリが見える

(新)登山口から敬天ノ滝展望所へ いきなりの急坂です



5分で道標 左はロープが張られています

道標後ろになにやら遺跡がある 神社跡かな?



(新)登山口から13分で、敬天ノ滝(鉱山ノ滝)

近くの竜王山に因み、白龍が天に昇るというイメージです



落差70mとか 大岩壁を滑り落ちる優美な滝です

紅葉の色はまだやや弱い 一週間後を想像してみる

登山道は峨蔵越へと続いていますが、今日は此処まで 引き返す



駐車地点手前のバットレス直下、赤っぽい水溜まりの源が伊豫鉱山の坑口

塞がれていますが覗いてみると、不気味な色の水が溜まっています

元禄二年頃発見され、昭和九年度には精鉱(含銅硫化鉄)9300トンを産出したが、

昭和十七年九月末に休山  最盛期には二百人ほどいたそうです

社宅が建っていた高石垣や選鉱所跡などの遺構は、雑木が茂って分かりません



法皇線は快適な山岳道路です 前方に見える雲がかかっている山は赤星山かな?

突如現れる「浦山城」 渓谷の紅葉を愛でながら城主気分を味わってみたい



城への階段を下り、橋からエメラルドグリーンの淵を見下す

瀬や淵、小滝を眺めながら県道を下る



高速高架を潜り、石標に従い乳母御前神社へ

河内集落最奥民家手前に車を停め、浦山川沿いの広い参道に入る



枝谷の渡渉箇所はやや歩き難いですが、よく整備された快適な道を進む

神社まであと二丁の石標



参道入口から10分で乳母御前神社(うばごぜじんじゃ)

地元に残る民話

昔、土居町中尾山城の薦田備中守が乳母を召し抱えました
 乳母は殿様の許しをうけ、自分の子も城中で育てますが、次第に乳が足りなくなって来ました。
ある夜、「もっと沢山乳が出ますように」と祈っていると、白髪の老人が夢枕に立ち
「わしは浦山川の淵に棲む白龍じゃ。乳が欲しくば、明晩、淵まで来るがよい」と。 
乳母御前は人知れず浦山川の淵を尋ねると、昨夜の老人が現れ
「お前は真心のある女だから乳の良く出る水を授けよう。
し かし、この事は死ぬまで人に言ってはならぬぞ」と言い聞かされます。
乳母は毎晩水をいただくと不思議なほどよく乳が出て、二人を立派に育て上げ大役を果たしました。
 それから、平和な日が続き、何十年後、乳母は病いに罹り日に日に病が重くなる中、村の子持ちの女たちに
「浦山川の淵へ行って、お水をいただくと乳がよく出るようになる」と教え、永い眠りにつきます。
その後、乳の少ない人は淵のお 水をいただくようになりました。
 村の人々は、淵の傍らに白龍と乳母を祀る祠を建て「乳母御前さま」と呼んだという事です




参道入口まで戻り、「奥姫神社跡」へ

急坂を頑張ると、天保十三年と刻まれた標柱(しめばしら)の奥に社跡

後亀山天皇の元中二年(1385)、浦山村に奥姫神社を勧請、大山積神・多紀理比売神を祀ったと伝わる

現在は、土居神社に祀られているそうです


街道歩きの途中で、ふと見かけた石標からいろいろ話題が膨らみました

山の道、里の道には、お宝がいっぱい埋まっています


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