秋晴れの今日は、島巡り〜 来島海峡に浮かぶ島々の遺構、遺跡を尋ね、
来島海峡大橋から、昨日歩いた西黒森や瓶ヶ森等、雄大な石鎚山系の山並みを眺めます
波止浜
港(7:05)〜(7:10)来島
(8:05)〜(8:10)小島
(10:20)〜(10:30)馬島
(11:25)〜(12:20)波止浜港
(5時間15分)
波止浜〜来島〜小島〜馬島を結ぶ就航船「くるしま丸」(19トン)
多くの釣り客と一緒に乗船し、7時05分出港です
のんびりする暇も無く、5分で来島港に着岸
港に設置された「来島城跡」説明板(要約)
伊予の海賊衆は南北朝時代には瀬戸内海に強い影響力を持っており
なかでも伊予大島を中心に勢力をふるっていた村上家は、能島、因島、来島の三家に分かれて
更に勢力を伸ばし、戦国時代には瀬戸内海の支配者的存在になっていた
来島は瀬戸内海随一の難所、来島海峡の要に位置し、周囲わずか850mの小島ではあるが
急流に守られる天然の要塞で、難攻不落の海の城郭としてその名を西国中に知られ
築城以来約160年間、6代にわたり来島村上氏の居城であった
道標に従い細い道に入り、石段を上がると分岐
右に進み、突き当たりが城主館跡「心月庵」
分岐まで引き返し、左へ 直ぐに鳥居があり、石垣の上に村上神社が祀られている
神社から奥へ緩やかに登ってゆけば
来島城跡 本丸跡
遺構らしきものは何もありませんが、見晴らしは素晴らしい!
北東方面に芸予要塞の島・小島が見える
島の北端近くの岩礁に下り立ち、
朝日に照らされた来島海峡を見る
この後、左端に少し見えている小島、そして橋脚の島、馬島に渡り
来島海峡第三大橋を歩いて波止浜港、と周回します
岩礁には桟橋跡の柱穴が無数に残る
その昔、「丸に上文字」の船旗を靡かせて、たくさんの海賊船(水軍)が此処から出航していったのでしょう
港まで引き返し、「くるしま丸」を待つ
来島から5分で、小島に上陸です
島内には、日露戦争前にロシア艦隊の来襲に備えて造られた要塞が遺り
種々の煉瓦造りの建物や、砲座跡、展望司令塔等が点在しています
遊歩道(赤線)を歩いて遺構(緑)を尋ね、海岸道路を帰ってきます (約2時間)
小島芸予要塞は、広島県の大久野島とともに
瀬戸内海への敵艦船の侵入を阻止するため築かれた海岸要塞です
観光休憩所前で、海峡に睨みを利かす大砲は
NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の撮影時に製作された28cm榴弾砲の原寸大レプリカ
小島では最新式の榴弾砲が火を噴くことは無かったけど
1904年暮れに日露戦争激戦地となった旅順へ運ばれ、二〇三高地攻略に大きく貢献したという
先ずは海岸線を歩いて、キャンプ場を抜け「探照灯跡」へ
石段を上ったところが、探照灯の台座
周囲は木々に囲まれ海は見辛かったけど、引き返す途中に寄り道した
北側の海水浴場は、綺麗な砂浜が広がっていました
港まで戻り、道標に従い砲台跡(3カ所)へ向かう
煉瓦造りのお洒落な発電所、此処で電気を発電し探照灯に供給していたそうです
当時、世間は未だランプの時代 ひょっとして県内で一番に電気が使われたのは小島かも?
南部砲台跡の地下兵舎
堅牢な造りの要塞心臓部・弾薬庫跡
辺りを緑に染めるかえでが、要塞の緊張感を和らげます
遊歩道を逸れ兵舎跡へ行ってみたが、草が生い茂り建物跡は分かりませんでした
暫く進むと分岐 中部砲台跡を散策してから、此処まで引き返します
小島の芸予要塞の中核をなす中部砲台跡
整然と積まれた石や煉瓦造りの遺構がずっと奥まで続いている
小島要塞の主砲である28cm榴弾砲(6門)の砲座
砲座跡と将校地下室跡の間にある、狭い急な石段を登り詰めると
三角点標石(100.1m)のある、
展望司令塔跡
素晴らしい展望を楽しみながら、お茶休憩にしました
分岐まで戻り、ツバキ並木の遊歩道を下ってゆく (足元はイノシシが掘り返しています)
小島要塞の歴史的価値が評価されるようになった1977年、今治市が2500本のツバキを植樹したそうです
赤い花が咲いていたら楽しい道ですが、今日はクモの巣だらけ
下りきったところが北部砲台跡
砲座跡や地下室跡を見ながら奥に進みます
軽砲(4門)の砲座跡
左に、発電所跡、浄化装置跡、井戸跡 右は海岸道路へ下りる道ですがさらに奥へ
24cm加農砲(4門)の砲座跡
突き当りの地下兵舎跡左に司令塔跡(展望台)への登り口がありますが
石段の取り付きは、土砂や枯れ枝で埋もれている
「司令塔跡はパスして、引き返そうや」
分岐から2分ほどで海岸道路に下り立ち、港へ
丁度、ヒラマサ?を獲り込んだ釣り人 いいロケーションです
最後は、橋脚の島・馬島へ
馬島港で乗客を降ろし、小島港へ引き返す「くるしま丸」
潮流に流されているのか殆ど動かない 「頑張れ!」
島の南西端・渦ノ鼻に祀られた馬島神社 祭神は綿積命です
拝殿横に昭和13年2月12日初照のウヅ鼻燈臺
灯台南の岩場に、海を見守る石仏が鎮座する
岩の割れ目を抜けると
馬島と波止浜を繋ぐ来島海峡第三大橋が、違和感なく目の中に飛び込んで来ます
23年余の歳月が経ち、雄大な風景の一部として「しまなみ海道」が溶け込んでしまったのでしょう
さぁ、エレベーターで大橋に上がり、波止浜港まで帰らなくちゃ
今日は「瀬戸内しまなみ海道スリーデイマーチ」の最終日、背中のゼッケンが目立ちます
車より、自転車や歩いてる人の方が多かったかな?
日陰が無い海道歩きは暑いだろうなと思ってたけど、風が心地良く絶景を眺めながら快適です
石鎚山系の遠望を期待していたのに、靄っとして見えません 残念!
芸予要塞の島・小島を端から端まで歩き、楽しい島巡りでした
見たところ、瀬戸内海に浮かぶ普通の島なんですが、重要な役割を果たしたんですねぇ
本線から分れ、ループ橋を下りる
波止浜水門を渡り、金毘羅常夜燈に迎えられ、港に帰ってきました
歩いた道 ホーム