2023年02月18日  ”祖谷古道(落合集落)”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る



今日は、落合集落から祖谷古道を歩いて△落合(1225.6m)を目指します

集落を抜け、977mpへ着くと冷たい風が吹き抜ける

今にも泣き出しそうだった暗い空から、雨粒が落ち出した

気にならない程度だけど、寒いし、展望も無い

どうしよう?

(8:00)〜(8:40)三所神社(8:50)〜(9:15)落合集落最奥民家〜(9:48)977mP(10:10)
〜(11:00)
三所神社(11:10)〜(11:40)P              (3時間40分)



中上集落の展望所から、扇状に広がる落合集落を見る

要が977mp、その奥のピラミダルなピークが△落合(1225.6m)

背後の名山が雲の中なので、何時にもまして存在感があります



展望所に設置された平家伝説の里・落合集落の説明板

「急斜面に広がる集落には、平家落人伝説や開拓伝承が残っており

南北朝時代に南朝方として戦ったことが確認、中世には集落が在ったと見られている

江戸中期から末期に建てられた屋敷、そして社叢や畑、石垣などを遺し歴史的風致を伝えている」

赤線(里道)から登山道(古道)を繋いで要に立ち、その奥の三角点ピークへ 



中上集落手前の路肩に車を停め歩き始める

車道の右斜面に「福寿草群生地N0.3 中上地区福寿草を守る会」

福寿草が目覚め始めている 帰りにゆっくり鑑賞します



落合集落を見ながら祖谷川向け下ってゆく

「おはようございます」 丁度家から出て来られた年配のご婦人と立ち話

「どこいくんかね?」 「あの山、登ろう思とるんです」

「昔は、あの山のずっと奥の峠を越えて、三加茂まで〇〇を持って行き、

一晩泊まって、帰りには△△を背負って帰ったんよ」 

〇や△は、ちょっと聞きとり難かったですが、三加茂往復2日で?!!!

「熱い味噌汁が出来たところじゃき呑んでいったらええ 力が出る」

有難い言葉に深謝しつつ、空模様が怪しいので先を急ぐことにする

「あの赤い鳥居の三所神社から真っ直ぐ道が続いとるから、気をつけてな」と、見送ってくださった



急岸に建てられた住宅を見ながら祖谷川を渡る

水量は少ないですが、メジャーな「にこ淵」に劣らない素敵なブルーです



国道439号に登り返し、郵便局少し先から「里道」に入る

入口に、「東祖谷落合集落里道入口」の石碑

いつもは国道を走り抜けるだけですが、今日は生活道を歩き平家伝説の里に浸ります



明治34年築の長岡家住宅 辺りにしっくりと溶け込む、山里の原風景ですね〜

ススキやチガヤで葺かれた茅葺屋根の家は、冬は暖かく、夏は涼しく、遮音性も高いとか

リサイクル出来る超エコな屋根ですが、台風や火に弱いのであまり残っていません

12月28日〜2月末までは冬季閉館ということで、 残念ながら屋内は見られませんでした

鳥居を潜り、杉の巨木に迎えられ三所神社、聖神社

境内の森は、「徳島県指定天然記念物 三所神社の社叢群」です



「竜王大明神」も祀られている

急傾斜地という地形上、降雨、止雨を龍神に祈ったと思います

霧雨が降り出したので、神社で暫く雨宿り



ソバや大根など干す、ハデでしょうか?

整然と積まれた石垣の横を抜けてゆく、石垣隅角部は「算木積み」という積み方だそうです



わら(萱?)ぐろが積まれた、長閑な山里の風景

最奥民家向け車道を横切りながら直登する



最奥民家付近から、向かいの中上集落を見る

木々の枝先が赤みを帯び始め、もう春はすぐそこまで来ています



左写真の住宅裏から登山道に取り付き、左の尾根に向け緩やかに登る



尾根に出て、西面を100m程進むと分岐

古道でよく目にする道標、丁石、地蔵、石仏などはありません

右斜面の石垣沿いを緩やかに登り、徐々に斜度が増すと尾根に出る



尾根を乗越すと直ぐ、右下から道が合わさる

古道の雰囲気が残る深い掘割道を進む



977mp付近 何もありません 直ぐ先に作業道が見える

軽トラが停まり、お二人が作業されていた

突然現れたおばさんたちに驚かれた様子

「どこから来たんな?」 「愛媛からです」

「落合峠まで行くんかな?」 「いえいえ、あのピークまで」

作業道を進み林道に出会ったところで、切断された古道を見上げる


 
林道を右に進むと視界が開け、矢筈山やサガリハゲ山が見える(筈ですが・・・)

急斜面に道が付け替えられていたので、少し上がってみる



古道を進み、途中から三角点ピークの東尾根を駆け上がる予定ですが

何も見えんし、風が強くて寒い 「もう、帰ろうや」

977mpへ引き返し、古道を下り分岐を左へ(右写真 往路は右から)



標高900m付近に、綺麗な石垣が残っている

祖谷川沿いの車道完成とともに、生活エリアが下がっていったことの証でしようか

道がやや薄い所もありますが、尾根をダイレクトに下る



自然林になって直ぐ、黄色い天使が呼び止める

思いがけないプレゼントです



お日様も差さないのに、綺麗に咲いていました〜♪

林道に下り立ち、少し下ると最奥民家近くの車道に出る



祖谷川の上流方面  三嶺や天狗塚は、雲の中です



春を告げるミツマタ

祖谷川下流方面、中上や栗枝渡集落を見ながら萱場の中の道を下る

 

  三所神社で小休止後、登ってきた道を下りてゆく

水路沿いでさりげなく咲くフクジュソウ



橋を渡り、駐車地点へ登り返す

深淵から峠を越え、落合集落を結ぶ(奥)祖谷古道

荷物を背負って、長く険しい道を歩いて集落に辿り着いた安堵感は一入だったと思います

峠越えは無理でも、落合峠から下り、山道の先に突如広がる奥祖谷の景色を見てみたい!


今日の天気は下り予報でしたので、展望は端から諦めてはいたけれど

やっぱり、祖谷の雪嶺を見たかった〜


帰路、龍宮崖公園へ



祖谷川を覗き見ながら吊り橋を渡る



明るい林床には福がいっぱい 一面の春の使者に歓声〜♪

もう少しで咲き揃うと思います


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