2023年03月11日  ”天堤山”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る



生活の道は便利さを求め、時を経て変遷してゆく

平成3年8月、富郷小学校より西へ500m先の、銅山川と豊受川が合流するところで

地蔵の台石が見つかり、寛政11年(1799)10月と新道が造られた年号が刻まれていた

これは戻りが嶽の難所が通過出来るようになり、藤原や城師から豊坂に出る最短の道が開かれた記念碑である

それまでは、下猿田と藤原を繋ぐ天王峯の峠道が往還であったとか

山友佐々連さんの山行記で天王峯の峠を見て以来、何時か尋ねようと思っていました

(佐々連さん リンクさせていただきました)

参考文献 (伊予三島市の歴史と伝説 昭和51年、教育委員会発行)
(妻鳥和教著「予土の峠物語」  平成4年発行)


(7:00)〜(7:28)登山口〜(7:57)(8:04)〜(8:47)△芋野(8:56)〜(9:42)△宮城(9:53)
(10:35)
天堤山(10:49)〜(11:06)無線中継所〜(12:10)P          (5時間10分)

 

県道126号脇に車を停め、下猿田への車道を進むと、直ぐに分岐

左に延びる林道芋野線は、天堤山北の無線中継所へと続く

下山は、この林道を下りてくる予定です 分岐を右に取り、下猿田集落を歩きます

見上げれば、この後歩く稜線が朝日に輝いている



常夜燈跡のような石積みから、県境の山々を見る



  猿田小学校跡から、熊野八幡神社

寿永3年(元暦元年 1184) 紀州熊野から平家に味方して落ち延びてきた苅田氏が創建したと伝えられ

神社本殿の棟札に苅田城太夫の名前と正治2年(1200)3月18日と記載があることから、平家落人伝説が残る



最奥民家付近

猿田川を挟んだ向かいの山の中腹には、八大龍王を尋ね歩いた元之庄が在る

舗装が切れた所が登山口 「県指定天然記念物(がや) これより250m」の案内板有



天王峯を越え藤原集落へと続く古の峠道を歩きます

登山口から7分、右手に巨岩と巨木が見えて来た



県指定天然記念物「天王峯の大カヤ」

目通り4.7m、根回り6.9m、樹高16m 県下最大のカヤです

根元付近に祀られているらしい道祖神を探したけど、分かりませんでした



辺りに露岩が目立ち始め、斜度も増し、峠へ向けて古道は続きます

古道の面影、石段跡の様です



関所のように立ちはだかる巨岩が見える

登山口から30分、巨岩下を抜け、天王峯の峠に出る 案外すんなり来れました



峠から藤原集落へ下りてゆく古道(左写真)

佐々連さんの山行記を見て、気になった峠道です

下猿田から、峠を越えて藤原の中学校に通学していた生徒さんに思いを馳せる

小休止後、天堤山(あまつつみやま)を目指して南に進む

尾根に乗れそうにないと思ったので横駆するが、踏み跡らしきも消え万事休す

木々を掴んで這い上がる(右写真)と、尾根に道がありました ヤレヤレ



樹間から、歩いて来た下猿田集落を覗き見る



両側が切れ落ちた痩せ尾根ですが、まずまず歩き良い道です



難所も無く、広い尾根を緩やかに登る

四等三角点・芋野(956.97m)



三角点から先、標高差50mほどの下りが今日の核心部です



赤テープがありますが・・・



とても下りられません



引き返し、急斜面を下ってから岩の基部を巻く



グランパはすんなり降りられたんですが、アーしんど!

右下に法皇湖が見える



左写真の岩は、左に巻く

三角点から15分、やっと難所を抜けました



ハネズル山の奥に、二ツ岳、エビラ

黄砂に霞んでいるけれど、数少ない展望を楽しみます



赤星山 もう、ユキワリイチゲやコバイモが咲き始めてるかな?

こんなに気温が高いんじゃ、勘違いしてカタクリまで目を覚ましそうです



左下に作業道が見えます(地図の実線)

小さなコブを越え、次の三角点向け緩やかに登る



四等三角点・宮城(994.54m)

段々尾根が細くなって右側が切れ落ちている、木々が無ければ怖いでしょう



左に、無線中継所への林道を見ながら、そのまま尾根を進む



伐採地から 玉取山、大森山、佐々連尾山(?)を見る



緩やかにアップダウンし、岩場を越えると、三等三角点・天堤(1146.59m)



頂上はシャクナゲやアセビなどの木々に囲まれ、スッキリとした展望はありません

木々の間から、二ツ岳、エビラ  下には、銅山川に架かる橋(城師大橋)が見える



上猿田集落を見下ろしながら、ネットが張られた植林境界を下る

尾根を外し、無線中継所方向へ



広い林道に下りて来た すぐ後ろに無線中継所



何度か 林道をショートカット出来たので

思ったより時間がかからんと、無線中継所から1時間ほどで駐車地点着



下山後、富郷ダムの方へ車を走らせ、歩いた稜線を見る

中央右寄りの凹んだ所が、下猿田から登って来た天王峯の峠

そこから、山肌を縫い藤原集落へ下って来る道が在るのでしょう



水が少なくなった法皇湖の上に見える岩っぽい稜線は、難儀した△芋野南の岩場

巨岩の回りは転がり落ちそうな急斜面だったので、ちょっと緊張したけど面白かったです



城師大橋から、嫋やかな天堤山を眺める

南(右)に延びる稜線に、1224mP、兵庫山、そして大登岐山が覗く


翌、3月12日 天王峯の峠から藤原集落への道を尋ねる



(7:43)〜(8:13)コル〜津根山三角点往復〜コル(8:35)〜(8:48)天王峯の峠(9:00)〜(9:20)
                     (1時間37分  グランパ単独)



藤原集落から、林道藤原下猿田線を上がってゆく

最後のヘアピンを過ぎ車を停め、地図の破線道がどこかにある筈と探すが・・・見当たりません

左写真(ヘアピン100mくらい奥から振り返る)の植林を覗き込むと

道の雰囲気がしないでもない(右写真) 此処から、取りついてみよう



道では無いとすぐ得心したけれど、藪でも無いし

何処かで地図の破線道とクロスする筈と思いながら、尾根を目指す

道らしきに出合わないまま、 急斜面の先には巨岩の壁

(ログを見ると破線道とクロスしていますが、もう道は消えているのかも?)



喘ぎながら登り、右に振る

ヤレヤレ、何とかコルに出た(右写真の右から上がって来た)



天王峯の峠は南ですが、まず北の三角点ピークを往復します 

12分で、アセビに囲まれた三等三角点津根山(854.92m)

北側の広大な伐採地の向こうに見えるのは、赤星山、ハネズル山、そして奥に二ッ岳



コルまで引き返し、尾根を南へ

小さいコブを越え、天王峯の峠に着きました

で、すぐ南の尾根を確認、昨日は横駆したけど尾根に乗れんことは無かったです

(グランマだと、ちょっと厳しいかも?)

峠から、藤原へ下りてゆく

遠回りしたけど、此処からが今日のメインです

下り始めは古道の痕跡を思わす石段が在ったりと、歩き易い道が続きます



今にも崩れそうな巨岩だらけの頭上を見上げながら、急坂を下る

やがて傾斜が緩み、石積が現れます



畑跡でしょうか?

峠から20分も経たないうちに、林道が見えてきた



左写真の所から、林道に飛び出す

最後のヘアピンから50m程奥のところ(右写真、手前に入山点)ですが

林道から見ると、この先に道が続いているとは分かりません

2日がかりでしたが、ともあれ下猿田と藤原を結ぶ峠道を歩くことが出来ました


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