2023年03月25日  ”屋 島”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る



今日は、屋島の旧へんろ道(東へんろ道)を尋ねます

雨雲に覆われていた空も、屋島山上駐車場に着く頃には青空が見え始め日差しが出て来た

今日は「屋島の春らんまん〜♪」 青空に映える桜を期待して歩き始める


山上P(10:30)〜(10:53)遊歩道分レ〜(11:35)車道〜(11:55)安徳天皇社(12:05)
(12:55)遊歩道(13:05)〜(13:37)冠ヶ嶽〜(14:10)屋島寺〜(14:45)P (4時間15分)



談古嶺の桜

明治30年、村雲日栄尼(むらくもにちえいに=伏見宮邦家親王の第8皇女)が、

源氏の武士や平家の公家達を偲び、「談古嶺」と命名したそうです



談古嶺を過ぎたところで道から逸れ、岩だらけの痩せ尾根を進む

遊歩道に下り立って直ぐ、右斜面の少年自然の家ルートを下りてゆく



雰囲気の良い 岩場を下ってゆくと

萌え出した新芽、咲き始めたミツバツツジ、天を覆うヤマザクラが目を楽しませてくれる

雨の後なのでちょっと滑るけど、階段やロープが設置される等、よく整備されています



零れるほどの花芽をいっぱい付けたミツバツツジがスタンバイ

ヤマザクラとの競演も間も無くです



ヤマザクラ越しに庵治町方面を見る

桜色に染まる小山は、庵治町創造の森

その奥に、遠見山からあじ竜王山公園へと連なる山々

玉の下沖防波堤から、竜王山の「りゅうごんさん」を尋ね歩いたのは、もう3年も前のことです



獣除けの柵を抜けるとやや平坦な道になる

「希望の道」?ちょっと気になって行ってみると、広場に石祠が祀られていました

龍神さんかな?



車道に下り立ち、景色を楽しみながら南へ

菜の花越しの五剣山 心なしか空気がスッキリしてきたみたいです



この後登り返す東へんろ道はどの辺りだろうかと、屋島を見上げる

地図を見たら、あまり遊び無しに真っ直ぐ道が延びています

この斜度を直で登ったらしんどいよねぇ



「八栗寺☞ 屋島寺☝」を示す、中務茂兵衛道標(明治29年建立)が建つ

屋島寺へのへんろ道を右に見て直進すると、安徳天皇社

寿永2年(1183)、安徳天皇を奉じて一の谷から屋島に逃れて来た平宗盛が

屋島の嶮に護られ、壇ノ浦の入り江に臨むこの場所に行宮を建て平家の陣営としたそうです



茂兵衛道標まで引き返し急坂を上がってゆくと、義経の四天王の一人と言われた佐藤継信の墓

 (継信が平教経の矢に当たり討死した牟礼町牟礼に射落畠碑、牟礼町王基に墓がある)

寿永4年(1185)2月、源平屋島の合戦時、大将義経の矢面に立ち身代わりとなって討死した継信

義経が手厚く葬ったあとを受け、初代高松藩主・松平頼重公がその忠死を悼みこの場所に建立したそうです

こんな狭い急坂を車が上がって来られるんだろうかと思いながら、振り返りつつ登る



最終民家を過ぎたところに、お大師さんが佇む

千数百年前に開かれたこのへんろ道は、「弘法の道」と呼ばれ

加持水のある屋島山麓から屋島寺を経て八栗寺まで、随所でお大師さんが見守ってくれている

獣除けの柵を開けコンクリート舗装された参道を進みますが、なかなかの急坂です



参道脇で、享保年間の石仏(お大師さん)が見送ってくれる

舗装路が切れてから5分ほどで屋島ドライブウェイに出る

車道を横切り参道を確認後、下にあるドライブウェイの展望場手前まで行ってみました

桜と庵治町のショットを撮りたかったのに、何時の間にか靄が広がり、写真になりません

重い足取りで車道を引き返し、参道をゆく



参道を少し上がった所から、屋島ドライブウェイを見下ろす



高度が上がるにつれ岩屑道となり、ところどころ石段が出てきた



少し日当たりの良い場所で、ホトケノザやスミレが淡い色を添える

歩き遍路さんには逢わなかったけど、学生さん風の方とすれ違う

訓練しているのか、軽やかに駆け下って行った

 

 ヤマブキの一叢が辺りを明るくしてくれる              楚々と咲く、エンゴサク



最後は、「足元注意」の喚起を見て、ズルズル道を登り



遊歩道に飛び出す  ヤレヤレ、思ったより時間がかかりました

廃業されて久しいホテル前のベンチに腰掛け



庵治漁港や庵治の山々、壇ノ浦古戦場、五剣山を見ながら大休止

もう小豆島は、靄に隠れて見えません



ケーブルカー屋島山上駅跡から南に進むと、経塚の在る冠ヶ嶽



山頂南端の冠ヶ嶽(288m) から、牟礼町を見下ろす



春先によく発生する霧なのか、それとも黄砂なのか、よく分かりませんが

靄々が辺り一面を覆って、視界がどんどん悪くなってきました

空気が澄んでいれば桜色に染まる山々が見事なのに、残念!



引き返し、屋嶋城(やしまのき)城門跡から南を見る

  靄の所為で、近くのクレーター五座も霞んで見えません



城門下、2.5メートルの高さに積み上げられた懸門付近を見る

敵を攻撃するために造られたこれらは、百済の城を真似ており防御に優れた城だとか



一等三角点 屋島山 292.12m

椿並木が続く遊歩道を歩き、屋島寺へ向かう

落花して尚、華やぎを見せる椿の花弁  「落椿」は春の季語です

鶯や 椿落として 迯げて行   (千代女)



加持水からのへんろ道を合わせ、屋島寺の荘厳な山門を潜ると

桃色の塊が目に飛び込んできた

屋島寺四天門前で満開する、可正桜(かしょうざくら)です

寛文5年(1665)、高松藩士松平半左衛門可正が植えた桜でお歳は358歳

何とも、艶やかです



本尊十一面千手観音座像が祀られる、四国霊場八十四番札所 千光院屋島寺

遠回りになるけど、西尾根に寄って駐車場に帰ります

れいがん茶屋手前で西古道を進み、西尾根展望台へ



桜の雪洞が灯る素敵な屋島の西斜面 女木島や男木島の桜も満開かな?



高松港を見下ろす



冠ヶ嶽、屋嶋城を見る



獅子の霊巖が近付くと大賑わい なんでも、やしまーるでコンサートがあったそうです

賑わいを他所に、春を謳歌する古木 老いても精いっぱい咲いている姿に感動します



桜越しに見る北嶺



屋嶋城跡の桜を楽しんで駐車場に帰って来ると、車が溢れていた

春らんまんの季節を迎え、益々人出も増えそうです


歩いた道  ほーむ