伊予三山の、石鎚山、瓶ヶ森、笹ヶ峰、いずれも蔵王大権現がおわす山
ところで、石鉄山、石鈇山、石土山、石槌山、石鎚山は
漢字表記が違っていても、どれも「いしづちさん」(違う読みをしているのもある)と読む
お山の歴史と共に、引き継がれてきた表記ですので、大事にしたいと思います
夏山が開かれ、大展望のピークハントといきたいところですが
今日の天気予報はいまいちなので、三山麓の蔵王大権現ゆかりのスポットを尋ねます
先週7月2日、瓶ヶ森男山から神さんの山・石鎚山を見る
両山とも7月1日お山が開かれ、瓶ヶ森には、石土宗総本山石中寺の石土蔵王大権現が、
石鎚山には、「仁」、「智」、「勇」三体の御神像が奉祀されています
東には、山系の重鎮・笹ヶ峰(右奥)
7月16日に、お山開きが行われます
JR中萩駅(新居浜市)前に、「笹ヶ峯 石鈇山」の扁額が掲げられた石の大鳥居がある
昔は、大鳥居(
昭和10年11月建立)を潜り、正法寺や笹ヶ峰を目指していたのでしょう
そういえば、今年90歳になる友人が、若い頃に
中萩駅から笹ヶ峰に登った時の思い出を
笑い話のように話してくれたことがあったなぁ
意気揚々と歩いたのは最初の内、提げてきた西瓜が重くて途中で食べてしまったこと
ようよう丸山荘についた時は、汗がスーッと引いて心地良かったこと、等々
そんなことを思い出しながら、遥か彼方のお山を鳥居越しに眺めました
正法寺への途中、萩生の大野山不動院を訪ねる
火渡りの行事が行われているので、笹ヶ峰の修験道と深い関係がありそうです
境内に、三体の蔵王大権現が祀られている
田圃の向こうに、
真言宗御室派・
石鈇山往生院正法寺が
見える
寺伝や大生院村庄屋文書に拠ると、古く平安時代に別当寺として
石鈇大権現を勧請し修験道の道場として栄え
現在も、毎年7月に笹ヶ峰お山開き登拝が開かれている
山門を潜ると、綺麗に掃き清められた境内に清々しい空気が漂う
「醫王殿」の扁額が架かる薬師堂
と、不動明王が祀られる不動堂
石鈇山正法寺の、「笹峯お山開き」ポスター
伊予三山はそれぞれ、石峯、瓶峯、笹峯と呼ばれていたそうです
西之川へ向かう途中の横峰寺分岐手前に、「霊峰石鉄山岳伝説天狗王」のシャッターギャラリー
黒瀬湖の龍を従えた、厳ついお顔の金剛蔵王大権現が睨みを利かす
見上げんばかりの急な石段が迎えてくれるのは、極楽寺
330段の修行石段を登り詰めると、石鉄山真言宗総本山 極楽寺の本堂(金堂)
あの天辺に鎮座する極楽寺八大龍王を拝したのは、2019年の登り納めだったから
もう3年半になるのだと、急峻なお山を懐かしく見上げました
本堂横の八大龍王社
石鎚蔵王大権現の幟が靡く参道を下りてゆく
河口の登山口付近に車を停め、横峰寺別院へ向かう
石鎚登山口と刻まれた石段を上がり、石鎚山の扁額がかかる鳥居を潜ると、蔵王堂
石土宗総本山 石中寺西之川別院
屋内は太鼓の音が鳴り響き御祈祷中でしたので、邪魔にならないよう
石土山根本道場石中寺の石柱が建つ石土山役行者の祠にお参りしてから
ロープウェイ乗場へ上がってゆく
途中、三体の石鎚大神を始め、役行者、波切不動明王、石鎚蔵王大権現が勢揃い
咲いてるかなと期待していたキレンゲショウマは、未だ蕾でした
西之川を後にし、小松へ 黒瀬峠の北側にある木の鳥居は、石鎚神社一之鳥居
霊峰石鎚山の別当寺として開創された四国八十八ヶ所霊場第六十四番札所
石鈇山前神寺
真言宗石鈇派総本山であり、
石鈇修験道の根本道場でもある
石段を上りきると、石鈇山蔵王大権現
毎年7月11日に柴灯大護摩供が行われる護摩壇、その奥が前神寺本堂
役行者作と伝わる御本尊阿弥陀如来が祀られている
霊峰石鎚山 総本宮 石鎚神社
神門を潜り、大祭期間中の幟が旗めく参道をゆく
修験道の開祖・役行者(役小角)に挨拶し、石段を上る
広い境内で、神仏習合の歴史を色濃く残す祖霊殿
神仏分離前は前神寺の本堂であり、石鎚蔵王大権現が祀られていた
神仏分離により前神寺は廃寺(後に、前上寺→前神寺として再興)、寺地は石鉄神社へ
大祭期間中にしては静かな本殿に参拝
今治市大浜町まで車を走らせ、
石土宗総本山石中寺を訪ねる
来島海峡を見渡す山裾に、石土蔵王大権現の幟が靡く
本堂は、中寺地区から移転し、新本堂が完成する迄の仮住まいだそうです
しまなみ海道来島海峡大橋を見ながら、海岸沿いを南へ
今治市旦字、霊仙山麓に「石中寺本堂建設予定地」の看板が立つ
暑い中、駆け足の伊予三山蔵王大権現巡りでした
帰路、神仏が宿る山々を見たかったんですが、あいにく雲の中
白いヴェールに包まれた蔵王大権現さんを想像しながら高速を走りました
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