2024年01月27日  ”吉備のまほろばA”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る



吉備のまほろば・備前赤磐エリアに続いて

今日は、備中国分寺エリアのまほろばの風景を尋ねます


登山口(8:00)〜(8:24)分岐〜(8:42)日差山・日差寺(9:00)〜(9:19)江田山
(9:22)
鷹ノ巣城跡(9:30)〜(9:43)仕手倉山〜(10:15)登山口 (2時間15分)



散策する前に高いところから エリアを眺めようと、まず山へ

車道終点手前に車を置き、歩き始める

落葉がいっぱいの広い道を、緩やかに登ってゆく



短いですが、谷に傾いた橋が架かる 慎重に対岸へ渡る



歩き始めて24分で尾根鞍部に出る

右の仕手倉山は後から尋ねることにして、左へ進む

5分で分岐 右、日差山へ



山頂標識を過ぎ、岩場に上がる

日差寺背後の岩場から、現代の吉備国府(庁)がある岡山市街地方面



巨岩の天辺に祀られた、八大龍王



報恩大師により開かれた日差寺



本堂後ろの岩に毘沙門天摩崖仏が刻まれている



分岐まで引き返し、江田山頂上



頂上から少し北のピークに鷹ノ巣城跡

羽柴秀吉が備中高松城水攻めの際、小早川隆景が陣を構えたところです



備中高松城跡付近や、最上稲荷の大鳥居が見える



引き返し尾根を進み、仕手倉山 三等三角点、山地(223.82m)

眺望はありません



山を下り、前池土手で休みながら、池面に姿を写す龍王山を見る

今からお邪魔しますよ〜



昭和池土手から備中国分寺五重塔をズーム


続いて干支の山・龍王山へ

登山口(10:50)〜(11:15)龍王山(11:30)〜(11:48)登山口 (1時間)



山手スポーツ広場横の車道を奥へ

路肩に車を停め、すぐ先で左の作業道に入る



入り口の看板 サギ草が咲くような雰囲気では無いんですが・・・



作業道を緩やかに200mほど進み、山道に入る



笹が刈り払われ、テープもあります

急坂を10分で鞍部、右へ



祠?、石棺?



龍王権現が祀られた龍王山

吉備の国には龍の山がいっぱい 「晴れの国」は、裏返せば「龍の国」なんですね

そういえば児島半島が龍に見えてきました(半回転させるとよくわかります)



西に、和霊山と、1234段の階段が記憶に残る福山



左は総社宮や備中国府跡がある総社市街地方面、

市街地右奥に、唐・新羅の侵攻に備え築かれた古代山城・鬼ノ城(きのじょう)

吉備津彦命の温羅退治の舞台としても有名です

右に備中国分寺跡

まほろばの風景が広がっています

山裾のモモの花が咲く頃は、まさに桃源郷になるでしょう



吉備路のシンボル・備中国分寺五重塔

旧山陽道(西国街道)背後の丘陵地で、

行き交う人々に、備中国を誇示しているようにも見える



山を下り、まほろば珈琲店で食事をし

備中国分寺界隈「吉備路風土記の丘」を歩く



天平13(741)年、聖武天皇が、仏教による国家鎮護のため

諸国(約60か国)に建立させた国分寺の一つ

寺域は東西約160m、南北約178mの規模であり、

周囲に築地土塀が築かれていた

当時の建物(七重塔、高さ50m)は南北朝時代に焼失し、

現在の寺(日照山国分寺)は、江戸時代に再建されたものです

岡山県に、国分寺跡は他に、備前(赤磐市)と美作(津山市)の二ヶ所あります



築地土塀跡、南門跡、中門跡を見て

「日照山国分寺」に入ります



国指定重要文化財 備中国分寺五重塔



高さ34.3m、岡山県下で唯一の五重塔

初層には、五智如来像が安置されている



こうもり塚古墳(正面の森)へ



国指定史跡 こうもり塚古墳

横穴式石室の規模が全国最大級の前方後円墳です



こうもりがたくさんいたことから、この名がついたとか



アカマツ林の中に、「備中国分尼寺址」碑

国分寺(僧寺)と同様、聖武天皇の発願により建てられた尼寺です



国指定史跡 備中国分尼寺跡

講堂跡、中門跡、建物跡、築地土塀跡を見て、



寺院の中核となる建物・金堂跡

各国の国分尼寺跡では場所が確定しないものも多い中

備中国分尼寺跡は、金堂の礎石が創建当時のまま残され非常に貴重だそうです



南門跡付近で、岡山県古代吉備文化財センターによる、

発掘調査の説明会が行われていました


駐車場に帰り、ここからポイントを車で巡ります



方墳の角力取山(すもうとりやま)古墳と、樹齢約400年の見事な大松

角力取山(23m)は、岡山県最低峰だそうです



岡山県下で、造山古墳(全国第4位、全長350m)に次ぐ規模の作山古墳

全長282mの前方後円墳です



左に備中国分寺跡、ランドマークの五重塔が良く見える  

あまり特徴は無いけれど、ほぼ正面の山が江田山、そして右端の尖がりが龍王山 



前方部から後円部に向け、三段に造られた墳丘の最上部を歩く

埋葬者は特定できていないそうですが、

権力や財力を誇示するひとつの手段として、巨大な古墳が造られたのだとしたら

造山古墳が吉備の王で、こちらは吉備のNO.2が祀られているのかな?

因みに、世界最大級の規模を誇る大仙古墳(仁徳天皇陵)は

長さ486m、高さ35mと、作山古墳の2倍近い大きさです

ただ、七世紀に入ると仏教の普及により埋葬形態が変わり

やがて古墳は衰退していったそうです



JR吉備線、東総社駅近く、総社市の名前の起こりとなった総社宮

回廊と、三島式(さんとうしき)庭園が素晴らしい



重厚な拝殿



備中国内大小三百四社の神々を国司が奉斎した備中国の総鎮守です



国道180号を東へ 金井戸服部変電所前の国道脇に

古代の政治拠点「備中國府遺址」の石碑が建つ



石碑から北へ少し入ると、伝備中国府跡



付近には北国府、南国府という地名があります


最後は、まほろばの風景に似合うかどうか・・・折角ですから

岡山道総社IC少し西、窪木集落の石鎚神社へ



八幡社の扁額がかかる鳥居横の、「石鎚山、展望台」の道標に従い

激急な石段を上がると



頂上広場に、駐蹕之碑、東屋、奥に石鎚神社



石鈇山蔵王大権現

異郷の地で愛媛県人に出会った感覚です



拝殿裏に、「石槌大権現」



広場西の岩場から国府跡、総社市街地方面を見る

吉備のまほろば・備中国分寺エリアには、

古代吉備のミステリー(謎)や歴史ロマンがいっぱい漂っています

備前との国境付近の一宮エリアにも、まほろばの風景があるよと

きび団子をぶら下げた 桃太郎が、手招いている

次は、吉備の中山とセットで歩いてみましょう


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