2013年03月30日  ”烏ヶ山途中二ノ沢”

大山春山バリエーション つれない烏と、いなせな二ノ沢


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号



ブナ翁さんに会ってから、残雪を這い上がり稜線に出て烏ヶ山へ

烏の天辺から輝く伯耆大山の雄姿を眺め、あわよくば南峰からカーラ谷を下ろうと

ルンルン気分で鏡ヶ成へやって来たら、ガスで視界10mほど・・・アララ

駐車場側の電光掲示板は−1℃、おまけに風が強くて寒い (歩きたくないなぁ

前回もそうだったし、数年前の秋に歩いた時
もレインを着たから、烏さんとは相性が悪いのかしらん


烏ヶ山途中往復
 (3時間15分)

鏡ヶ成P(8:00)〜(9:00)ブナ翁〜(10:10)最高地点〜(11:15)鏡ヶ成P



「そのうち晴れるよ」と自分自身に言い聞かせ歩き始めるが、車道沿いには雪が無い

今年は雪が少なかったとはいえ、2月と比べあまりの変わりように唖然です

もう少し雪が残っていると思ったんですが・・・こうなりゃ、藪の薄そうな所を選んで突き進むしかない



それでも、立ち上がった潅木やスズタケを潜り抜けると静寂の森が待っていました

緩みかけた雪道に大穴を開けながら進んで行くと、根開きしたブナ林が現れる

森の春はブナの根元から始まります

このブナのウエストは4m強かな? ちょっとメタボ気味です



前回はきょろきょろしながら歩いたが、今日は目的地へまっしぐら 早速ブナ翁さんの手前にある巨大ブナ

奥に眼をやれば薄っすらとガスに包まれた森の中から、ブナ翁が両手を広げ歓迎してくれている



烏ヶ山の巨大ブナに再会です 根元付近のウロ(空洞)が森の翁としての存在感を際立たせている 

白髪を削ぎ落としライトグリーンになった姿を見てみたいが、この辺りは積雪期しか入れないエリア

今度来るまで元気でいてねと、思わず声をかけた

今日はこれからが本番、稜線の登山道まで這い上がる 徐々に斜度を増す雪面に一歩一歩足跡を残す

今年は雪解けが一気に進み、特に此処は南面のため残雪は少なく、雪質に冬の繊細さは無い

ザラメを踏みしめる様なジャリジャリという春の音がブナ林に響く 



霧氷をいっぱい付けたブナの森 雪の残る凹部を選んで這い上がる

直登するには厳しい斜面になって来た

少し平らな崖っぷちに逃げ、切り立った岩壁を見ながらアイゼンを付ける

覗き込んだ蛇谷は、上宝珠沢の砂すべりを思わせる荒々しさ 怖っ〜!



日が差し出し背後に1180mPが現れ、俄然元気が出て来たけれど

それも束の間、あともう少しで尾根と言うところで雪が消え

背丈以上もあるスズタケが、水滴をたっぷり付け大手を広げて立ちはだかっている

こんな斜面でレインを着るのも大変だし、びしょ濡れになるのは嫌!パスパ〜ス

四国では桜が満開しているというのに、よりによってこんなところまで来てしんどい目して撤退なんて

花見でもしていたほうが良かったと、思わないことも無いですが・・・・・アホな夫婦です

 

折角頑張った急斜面なのに・・・トボトボと下りながら、足の重いこと

気持ちを表すかのように、辺りはまたガスに包まれて来た

前回ウエストが測れなかった双子ブナ(目通りは両方とも4mを超えています)



雪が無くなった鏡ヶ成スキー場から烏ヶ山(1448m)を眺める

東斜面は真っ白、尾根まで辿り着けたとしても、南峰P〜1300mP〜カーラ谷は厳しかったかも?

御机方面への途中車道側の展望所からブナ翁さんが見えないかな〜?と探してみたが特定できなかった

頂稜部は雲が退かないが天気は回復傾向

このまま帰るのも物足りないので、気になっていた大山二ノ沢を目指す



健康の森登山口には10台程停められている 振子沢でスキーしているのかな?

春の日差しを浴びて嬉しそうなイケメンブナたち 枝先が膨らみ、ほんのり赤味を帯びている

振り返れば、雲を押し退け羽ばたく烏ヶ山 やっぱり、あの天辺に立ちたかったなぁ(諦めが悪い)



鍵掛峠から伯耆大山を眺めれば春山の装い 主稜線の上には真っ青な空が広がっている

白い剣ヶ峰の左直下(写真中央)に、二ノ沢支渓のゴルジュがくっきり見える

地図を取り出して確認、2時間ぐらいで往復出来るかな?


二ノ沢往復(1時間40分)

二ノ沢登山口(12:10)〜(13:10)ゴルジュ(13:25)〜(13:50)二ノ沢登山口

 

広くなった路肩に車を停め、右岸に付けられた治山林道に入ってゆく

林道沿いの土手には枯葉を押しのけ、フキノトウが頭を出している 殺風景な林床を彩る小さな春です

 

途中から左岸に渡り、正面に南壁を見ながら明るい沢を詰めてゆく

河床から少し離れたブナ林を歩く 時折赤テープもあるが、この時期ならどこでも歩けます

 

此処は二俣 右の支渓を詰めると、大迫力のゴルジュに突き当たる 迷わず右へ

二段の砂防ダムが見えてきた 雪を跳ねのけ起き上がった潅木が煩い

 

暖かい日差しに雪も緩んで、時折踏み抜きながらもやっと最後の堰堤

大きく口を開けたゴルジュを遠目に覗けば、残雪の上に崩落した砂礫が積み上がっている

ゴルジュを抜けて主稜線に攀じ登れば剣ヶ峰は近いけど、絶対登れんわ!

右の尾根を越えれば三ノ沢 よく見ると、イワカガミの葉っぱが日に輝いて綺麗

咲いたらピンクの斜面になりそうだ

間近に迫って来る主稜線を見上げながらコーヒータイム、とは言っても

何処からかカラカラと落石の音が聞こえ、雪田のあちらこちらに転がる大石を見れば

ゆっくりとは落着けない 長居は無用かな

 

ブナの尾根を隔てた西側が一ノ沢 右岸稜の上端部には通称「たけのこ岩」が屹立する

ヤマヤナギ越しに振り返れば、白い頭を際立たせた剣ヶ峰が聳えている

烏に立てなかったのは残念だったけど、春本番間近の二ノ沢を歩けて満足満足♪

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