2013年11月09日  ”カガマシ山・橡尾山”

ルンルン気分で歩く遊歩道の先にはサバイバルが待っていた


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号

登山口(7:55)〜(9:00)シャクナゲ尾根〜(10:20)吊尾根〜(11:00)主稜線〜(11:10)カガマシ山
(12:05)橡尾峠橡尾山〜(12:45)橡尾峠(13:10)〜(13:55)登山口          (6時間)

(ログ説明  駐車地点  遊歩道分岐  シャクナゲ尾根  C三ツ足山・カガマシ山吊尾根 
      D 巨大ブナゾーン 橡尾峠から北のログは何故か直線となり、上手く取れていません)


11月も半ばになると、裏山の紅葉もそろそろ自宅からの視界に入ってくる

里山でもと思いつつ、やっぱり落葉の敷き詰められたブナ林ということで 今日は身近なブナの山を歩きます

カガマシ山・橡尾山は、ブナとシャクナゲでメジャーな山ですが 以前遊歩道を歩いただけで登った気分になっていた

主稜線でどんな顔をしたブナが待ってくれているのか 出会いが楽しみです

あっ! それからもう一つ 遊歩道終点の先のトラバース道はどんなんか気になっています



新宮ICを下りて南へ、県道横でミネラルをたっぷり含んだ水が湧いている

カガマシ山と橡尾山の北面に広がるブナの原生林(約100ha)を水源とすることから、「ブナの活き水」と呼ばれている

看板から15分ほど県道を奥に入ると、道脇が登山口 原生林遊歩道入口の案内板が有る



植林の中の急坂を20分ほど頑張ると分岐  橡尾峠への道を左に分け遊歩道を進む

あらら、遊歩道といっても名ばかり、沢沿いは道が崩れていて気が抜けません



植林の中の小さな流れを渡る 特に問題無し

分岐から10分弱、これより原生林の標識を過ぎると、景色が一変する



モミジの赤、 トチノキやシロモジの黄が、鮮やかさを競っている

落葉が敷き詰められた遊歩道をルンルン気分でゆく



既に葉は落としてるが、もちろんブナもあります

目がモミジの色に疲れ出したころシャクナゲ尾根 此処で、遊歩道は終わりです



尾根を少し登ると「これより先 未整備」の注意看板 その少し上に分岐

佐々連鉱山へと続いていた横駆け道があると聞いたことがあるが、多分これがそうだろう

シャクナゲ尾根を直登しても主稜線に出るけど、今日の山行の核心部はこの道です 

はたしてどんな道なのか? 等高線の間隔が狭くかつ凸凹なので、ちょっと不安ですが・・・

「危なかったら、引返さんか」

そんな事言ったって、引返した例があるの? と言いつつ足はトラバースへ向かっています



紅葉の谷の向こうに大崩落が生々しい三ツ足山(1099.1m)

分岐から暫くは、崩れかけてはいるものの薄っすらと道がある



沢筋の黄葉 日差しがあればなんて楽しんでいたのも束の間

アリャリャー、完全に道が流されている



道がある様な無い様な、どんどん分かり難くなるので、支尾根に逃げたくなるが初志貫徹

とにかく水平に進んで行くと、ところどころ道と覚しき箇所もあるので、概ね間違ってはないようだ



ずっと急斜面が続く 転がれば沢まで一直線 

チャキリスのように足を振り上げたあの巨大ブナは、ここから標高200mほど下がった辺りにいる筈だ

落ちても何とかなりそうな気もするが、気を引き締めて一歩一歩確実に進む

落石帯は早く抜けなくっちゃ こんな所でグランパが転んで怪我でもしたらどうしよう

背負っても歩けんし、悪いけど放ったらかすしかないわ

そんな心配を他所に、相変わらず紅葉に見惚れながら先々進んで行った



山側にしっかりエッジを効かせても、柔らかい落葉道は時折足が流れヒヤッ!

もう引返しもならず、前進あるのみ

ここまでは高い壁のようだった斜面も、空が近くなり明るくなって来た

 「きっとあそこが吊尾根よ」と言いながら、木の根を掴み転がり落ちそうな急斜面を這い上がる



シャクナゲ尾根から1時間20分 予定より20分オーバーで、やっと吊尾根に乗った あーしんどかった

 右にはっきりした道がある イメージポイントにドンピシャ たぶんこの道が佐々連鉱山に続いているんだろう

このポイントをイメージ出来たのは、今年4月14日、むらくもさんつむじかぜさん佐々連さんたちが歩かれた

三ツ足山・カガマシ山の山行記を見せて頂いたお蔭です ありがとうございます

水分補給しながら小休止後 、カガマシ山の肩に向けて急傾斜の尾根をゆく

はっきりした道ではないけれど、トラバースに比べたら国道よ 尾根を外さず、木々の間を擦り抜けながら進む



木の根が這うシャクナゲのトンネル、立ちはだかる大岩(ちょっと大袈裟です)も乗り越えて直登あるのみ

吹き抜ける風が強くなり林床に笹が出てきたら、主稜線は近い



右に法皇山脈がぼんやりと見える  翠波峰からもこちらが見えるんだろうが特定したことは無い

やれやれ、カガマシ山の肩(主稜線とのジャンクション)に出た 

一面低い笹や草が生い茂っているが、道はしっかりしていて歩くのに支障は無い



ブナを見ながら、カガマシ山へ向かう なだらかな歩き易い道、まるで高速道路じゃねぇ

カガマシ山(1342.7m) 特徴の無い頂上は、頂上標識と三角点を撮って即Uターン



前方に見える橡尾山を目指しながら、時々登山道を外し大ブナ探索

数本ウエストを測ってみたが、どれも3m台 一番大きいので3m57cmでした

途中、岩場の所でソロの方と擦れ違う 今日のお客は3人だけみたい

聞こえてくるのは風の音と鹿の鳴き声、静かなお山です ちょっと目障りなほどテープがありますが・・・・



カガマシ山からアップダウンの無い県境尾根を歩き、1時間弱で橡尾峠

ちょっとお腹が空いて来たけれど、食事の前に橡尾山をピストンしてこよう

バナナ、水分補給、勿論、紫煙も燻らせてから橡尾山へ

道の真ん中にある、この石積みは何でしょう?

その昔、峠を行き交う人を見守るお地蔵様が鎮座されていたのかもしれませんねぇ



峠から緩やかに登ってゆくと、ブナ林に囲まれた橡尾山(1222.1m)頂上

辺りを散策しながら峠まで引返し、ちょっと遅めの食事休憩

温かいお味噌汁と卵焼き、塩昆布入りのおにぎりに蕪の漬物と、有り合せのお弁当だけど

空腹は最大の調味料とか、美味しい〜!

近頃話題になっている、有名ホテル、デパート、レストランなどの偽装や不正表示とは無縁の質素なランチでした

「あの奥のブナ、大きそうじゃ ちょっと見て来る」  食後のコーヒーくらいゆっくり味わったら良いのに・・・

暫くして残念そうに戻って来たけど、思ったほどでも無かったみたい

さぁ、さぁ、下りましょう 1時間くらいで登山口に着けるかな?

大きなブナが寝返るほどの急坂を転げるように下って行く


                        
この辺りのブナは東北のブナみたいにすらっとしていて、スタイル抜群  2本とも、3m台です

カガマシ山の巨大ブナのエリアは、やっぱり標高800m位なんだろうか

紅葉の中を遊歩道との分岐まで下りて来て、後は朝歩いた道を登山口までのんびり下ります

期待していた4mを超える大ブナには出会えんかったけど

冬が来る前のブナの山、ハラハラドキドキもあり面白い山行でした

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