2014年03月15日  ”寒 峰”

なごり雪を踏みしめて 秘境に聳えるブナの山を歩く



GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号

上の登山口(8:15)〜((9:35)栗枝渡三角点〜(10:10)西寒峰〜(10:30)寒峰峠〜(11:20)寒峰
(12:00)
寒峰峠〜(12:35)栗枝渡三角点〜(13:15)福寿草群生地〜(13:40)登山口(5時間25分)


彼岸が近付くにつれ、気温も15度を越し春本番の陽気になってきた

「春よ〜♪春よ〜♪」と浮かれて唄い出したいところですが

三寒四温のこの時期、思うように春は膨らみません

前線を伴った低気圧が通り過ぎ、一時的に冬型の気圧配置になった

ということは、霧氷です 「 この季節、もうあの山しかないでしょう!」 と祖谷にやって来ました



「寒峰登山道入口」の標柱が立つ上の登山口を出発 

谷沿いの薄い道にもそこそこ雪が積もっている 登山口から25分程で福寿草群生地 辺りは一面真っ白です 

当然、フクジュソウは雪の下 春の淡雪なので日が当たれば一気に溶け出すでしょう 

帰りには、顔を覗かせているかもと期待して、そのまま通過します



群生地を過ぎたところの急斜面 クラストした上に新雪が乗っているので谷側に足が流れ、一瞬ヒヤッ!

雪を崩して足場を作りながら慎重にトラバースし、尾根に乗る

自然林と植林の境界尾根をゆく 本コースで一番しんどい、単調な急坂が続く



栗枝渡三角点(1415.1m)で、お茶休憩

そろそろ西寒峰のトラバース道だと思いながら進んでいると、見覚えのない細尾根 アララ

さっき、この辺りかなと見た所がやっぱり分岐だったんだ トレースが完全に消えていたので見落としてしまったわ

引返そうかなとも思ったけど、折角だから前から気になっていた西寒峰に寄ってみよう

細尾根をほんの少し頑張れば、ピーク(標識は見当たらない、無いのかも)

大ブナロマンで西寒峰に「清盛ブナ」が居るかも知れないと書いたけど、さてどうかしら?

頂上付近をうろうろしてみたが、どれもスマートで迫力のある大ブナはいない



西寒峰(1518m)付近より、寒峰を眺める

寒峰峠にダイレクトに下りる 「シリセードしたら〜」というブナの声が聞こえたような気もしたんですが・・・

初めての場所は様子が分からないので用心しときます (次回下る時はチャレンジ出来そうです)

「グランパ もう少しステップの歩幅を狭くしてよ」 と、あれこれ注文しながらついてゆく



ドンピシャ、双子ブナの間を通り抜けます

前回このブナ周辺を散策し、西寒峰に取り付くならこの辺りだろうと思った場所でした

だだっ広い寒峰峠は風の通り道、吹き抜ける風が冷たい

ちょっと西の方に寄り道して、昨年ウエストを測りそびれたブナにメジャーを回します(3.2m)

足元を見れば根開きが始まり、奥山にも春の兆し〜



寒峰のファザーツリー「国盛ブナ」が、大迫力で登山道に被さってくる

一年ぶりですね ご機嫌でしたか〜?



平家の猛将を見下ろし、誇らしげに勝鬨を上げる「義経ブナ」

八方に広げた大枝に、青空を隠すほどびっしり霧氷をつけている



雪田を抜ければ、ゴールはもう目の前

登山は頂上に立った時より、其処へ近付く時に味わうワクワク感が醍醐味かもしれない

そんな事を思いながら、山頂を目指して一歩一歩新雪を踏み締めてゆく



寒峰頂上(1604.6m)から矢筈山方向

考えてみたら、寒峰登山はいつもフクジュソウが咲き始めるこの時期ですが

いずれも青空に霧氷と、本当に相性の良い山です



大ブナエリアでゆっくりしようと早めに下山開始

遠くに三嶺や天狗塚を眺めながら、小さな踏み跡を辿る



二重山稜地形の西稜で寛ぐ「平知盛、雅子」の夫婦ブナ

気温が上って来た もう一時もすれば華は散ってしまいそう 春の霧氷は平家の夢の如く儚い

(注 寒峰は平家伝説が残る山です 勇ましい姿の大ブナたちに敬意を表し、此処でだけとお断りして 

源平の武将の名前をつけてみました 自己満足の世界です 読み流してください)    



あれっ? 西寒峰のトラバース道は誰も歩いていないの?

今までに10人程にすれ違ったのだけど・・・皆さん、西寒峰へ上がられたんだわ

先頭責任を感じます 特に西寒峰頂上付近にトレース沢山つけました すみません

真っ新なトラバース道を進み、尾根に出た所で「HPぴんぼけぎゃらりー」の山坂のぼるさんご夫妻に会う

4年前に伊吹山でお会いして以来です 暫し談笑してから、トラバース道をゆくお二人を見送ります



日当たりの良い登山道の雪は解け出してグチャグチャ 登りで苦労した道も楽々です

福寿草群生地へ下りて来ると、雪の中から黄金色の天使が顔を出している〜♪

春の淡雪を踏み、霧氷&大展望と楽しんだ上、春の使者にも会えて幸せいっぱい!

40回目の結婚記念日に最高のプレゼント、あ・り・が・と・う



祖谷はすっかり春色です 山肌や空気が柔らかい

下山後は中上集落へ 落合集落展望所への車道沿いには眩しいほど沢山の福寿草が輝いている



農家民宿「祖谷八景」を見下ろす寒峰

あの稜線で源平の大ブナたちが、今では仲良く霧氷の華麗さを競っている



農家民宿前の福寿草園と落合集落

楽しみにしていた京上の蕎麦処は、今日は臨時休業の札が掛っている 残念

西祖谷の道の駅でお腹を満たし、お土産も買って祖谷を後にした

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