2014年11月22日 ”梶ガ森”

大岩ゴロゴロの谷を詰め、弘法大師修行の地を尋ねる


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号

A (龍王ノ滝駐車場) B (定福寺奥ノ院) C(御影堂) D(天狗ノ鼻) E(山荘梶ガ森)


龍王ノ滝駐車場(8:40)〜(9:10)定福寺奥ノ院〜(9:30)御影堂(9:50)〜(10:25)天狗ノ鼻〜(10:45)梶ガ森
(11:15)山荘梶ガ森(11:45)〜(12:15)定福寺奥ノ院〜(12:35)龍王ノ滝駐車場        (3時間55分)


「そういやぁ 梶ガ森にも投入堂があったなぁ あれは、お堂まで行けるんかいな?」

「そりゃぁ、誰かが造ったんだから道はあるんじゃない?」 「確かめに行こか」

高山の紅葉が終わり、霧氷も期待薄 決め手に乏しいこの時期 そんな会話で 行き先がすんなり決まりました

 「土佐の投入堂・聖神社」に続いて、今日は梶ガ森の投入堂・弘法大師御影堂を尋ねます



駐車場から10分で、日本の滝百選「龍王ノ滝」 滝壺の前まで下りてゆくと空気が冷たい

「大豊町史」に拠ると、紅葉川の下流・佐賀山地区に大蛇伝説が残る

 一夜の宿を乞うた不思議な娘さんの後をつけてゆくと、大蛇となってこの滝壺に身を沈めたそうだ

登山道に復帰し、ガレ谷に僅かに残る紅葉を見ながら登ってゆく



明治14年、京都北老の坂印幡堂より勧請された「第一番霊場 定福寺奥ノ院」

ご本尊は、弘法大師御作と伝えられる十一面観音菩薩像が祀られている

その昔、源頼光が酒呑童子を征伐する時、この菩薩に願をかけ見事目的を達したそうだ

下の社殿に掛けられた温度計は8℃、今日は暖かい

ゴロゴロ八丁を登り詰めると、左絶壁に懸崖造りの弘法大師御影堂が見えてきた

此処は、若いころのお大師さんが「求聞持」の法を修めるために修行され

「弘法大師神童坐像」、「大師御手判の石」、「剣」が奉納されたと伝えられている

(現在、坐像は定福寺宝物館に所蔵されている)

 

「上ってみい」と言われて取り付きまで行ったが、苔生した岩の奥は真っ暗

何かが潜んでいそうな不気味な感じ ちょっと恐そうなのでパス

止めたらと言うのに、グランパが「今日の山行の核心よ」と言いながらお堂まで上って行く 

下から見るほどの斜度で無く、岩面に小さな足掛りもある

折角上ったのに、堂宇には鍵がかかっていて中には入れない

墨が薄く判読し難いが、「佛嶽山本堂 弘法大師●●修行の地」と書かれた木札が置かれていた



真下を見ると、此方を心配そうに見上げているグランマが余計に小さく見える

呑気に手なんか振らんと早く下りておいでよ



岩の隙間に梯子がかけられていたそうだけど、そんなに狭い所よう上がれたねぇ

「ちょっと待ちよって」と対面の岩場から御影堂を撮っていると、上から話し声が聞こえて来た

もう下りて来たのかと思ってお聞きすると、山荘泊まりで周辺を散策されているとか

岩に上っているグランパを見て、不思議に思ったかもしれません

岩窟に投入れられた風格あるお堂は、神秘的で、静まり返った岩谷に霊気が漂っている



さぁ、苔ノ岩を経由して、山頂を目指します 以前冬場に凍っていて緊張した場所です

未だ、名残惜しそうに写真を撮っているグランパ  何なら、2,3日籠って修行でもしたら・・・



長い階段を下れば、その名も素敵な「名勝・紅葉川」

苔生した大岩の前に鎮座する阿弥陀如来像、此処は三番霊場「苔ノ岩」



真名井ノ滝への分岐・シャクナゲの森を過ぎ、ブナ林の中、階段を数えながら緩やかに高度を上げてゆく

700段を過ぎると樹林帯を抜ける 山荘梶ガ森と同じくらいの高さまで登って来た

2011年2月、大雪に阻まれて難儀したけど、今思えば懐かしい



六番霊場「天狗岳」で迎えてくれるのは、真言密教の教主大日如来様

天狗ノ鼻突端から覗きこんでも、やっぱり山肌はモノトーン



キャンプ場まで下り、1100段の標識を見て登山道に入る

車道を2回横切り、頂上まで真っ直ぐの道 振り返れば、天狗ノ鼻越しに祖谷の山々

標高1400mと同じ数の階段が続くので、残り50段  頂上標識が見えて来ました



七番霊場「霊峰梶ガ森頂上」で、静かに天を見上げている虚空蔵菩薩様

こんなに大展望の梶ガ森は、久し振りです 周りは山だらけ 四国は山国だと、実感します

薄の子供は風に乗って既に旅立ち、天花待ち姿の褐色の草原が広がっている



「土佐の名水40選・梶ケ森の霊水」 雨が少ないので蛇口から出る水は細い

お大師さんも修行中、此の水で喉を潤したのかもしれない

お昼の時間には早いけど、「山荘梶ガ森」名物の立川蕎麦を頂く

お水がいいから、蕎麦粉100%のお蕎麦は勿論、碁石茶も美味しかった



五番霊場「山荘梶ガ森」で文殊菩薩様に見送られて山荘裏から登山道に入る

5分で分岐、ゴロゴロ八丁を下りる方が近いんだけど、未だ歩いたことが無い定福寺奥之院780mの道を行く

あまり歩く人は居ないのかなぁ  道はかなり荒れている



まさか梶ガ森で薮漕ぎ(僅かの距離です)するとは思っていなかった

右下に車道を見て、広い道に下り立つ 分岐から此処まで10分、奥ノ院まで5分弱だったから

ゴロゴロ八丁を下るのとそんなに変わらんかったかも

 奥ノ院から朝歩いた道を下り駐車場に帰って来ると、車が3台ほど増えていた

今日は天気が好く、土佐の投入堂・御影堂も尋ねることが出来、気分爽快

これで霧氷でもあれば文句無しですが・・・

梶ガ森は冬期人気の山、次の機会に残しておきましょう



三連休初日とあって、大歩危峡も四国外ナンバーの車や観光バスが多く

見頃を迎えた紅葉を楽しむ観光客で賑わっていた

三好市池田町馬路の境宮神社の大銀杏が、境内を黄色に染めていました

銀杏の絨毯が敷き詰められると、そろそろ今年も終わりです 一年経つのが早い事!


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