霊峰石鎚山の夏は、三体の御神像が頂上社に着座する「お山開き大祭」で始まる
初日は大荒れの天気、終了祭が行われた昨日も、午後からは大雨だったそうだ
今日も展望はあまり期待出来そうにないけど、涼みがてら夏の花を見に行こう
雲に見え隠れする石鎚を見ながら瓶林を走り土小屋に着く 大祭も終わり、駐車場周辺は静かです
ひんやりした万緑の森を行く びっしり実を付けたブナの枝が風に揺れている
お山にかかっていた雲が流れ、青空が見え出した 思ったより空が高く良い天気です
夏を代表する花の一つ、タカネオトギリが木段の隙間で輝いている
咲いているのはこれしかよう見つけんかったけど、たくさんの蕾が花開くのは間もなく 楽しみです
新「花の百名山」で紹介されていた石鎚山のフガクスズムシソウ
フガク(富嶽)の名前通り、富士山で最初に発見されたラン科の多年草で苔生したブナに着床するそうだ
ブナを一本一本見ながら歩いていると、既に花が終わっているものも
ちょっと遅かったかなと諦め半分でいたら、ピンク色が目に飛び込んで来た・・・咲いていました〜♬
濡れた笹を掻き分ける東稜はパスして、のんびりトラバース道を行く
ルンゼ手前で、 シコクフウロも咲き始めている 一際鮮やかなピンク色が可愛い
姿勢よくピンと立ったナンゴククガイソウの向こうに瓶ヶ森
葉はヤマサギソウのようだけど・・・ナガバノキソチドリかも?(こういう地味な花は、何度見てもよう覚えません)
緑濃くなったルンゼを見上げる 燃えるようなコオニユリが咲くのは、もう少し先のようです
地味ですが、爽やかブルーのミソガワソウと線香花火が弾けたようなミヤマカラマツ
お花畑を盛り上げる名脇役と言ったら失礼ですかねぇ
成就社ルートを合わせ鳥居を潜り木段を上がってゆくと、途中から新しく石段になっている
二ノ鎖元で小休止 山並みの頂稜をかすめるこま切れ雲がアクセントになって、良い雰囲気〜
微かに期待していた二ノ鎖巻道沿いに咲くオオヤマレンゲ、今年はその気配も無い
5年前のお山大祭中に見て以来、綺麗に咲いている花姿をなかなか見られない
また、来年に期待しよ
三ノ鎖巻道で大祭を見守ってたミヤマダイコンソウは、終わりかけている
最後の階段を折り返すと、一気に南の視界が開け
カールの様な斜面の奥に、二ノ森と鞍瀬ノ頭が見え出した
石鎚山、剣山に続き四国第三位の標高を誇る二ノ森、その背後に聳える鞍瀬ノ頭
なかなか足を延ばせないが、その気品ある佇まいを見ているだけで心が落ち着く
昨日、終了祭で賑わった弥山も、時間が早いのか未だ閑散としている
山頂小屋で話し込んでいる間に、 コメツツジの向こうから天狗岳が呼んでいるとグランパが先行
弥山直下の岩場に咲くシコクイチゲ〜♬ 石鎚に夏到来です
「待ってよ〜」 弥山から天狗尾根に滑り降りて、後を追う
振り返れば、緑で覆われた優しげな姿の弥山
切り立った天狗尾根を辿れば、精悍な姿の天狗岳
剛と柔が向かい合う厳しい山容が西日本最高峰としての威厳を醸している
僅かに花弁を残す北壁のミヤマダイコンソウ
四国の天辺・石鎚山天狗岳(1982m) 天狗岳王子社にタルチョが巻かれている
タルチョとは、ヒマラヤ周辺のチベット文化圏で暮す人々の願いを込めて飾られている旗で
青色は空・天、白色は風、赤色は火、緑色は水、黄色は地を意味していているそうだ
みんなが幸せでいられますように
大きな災害などが有りませんように
たくさんの実りがいただけますように
病気など患うことなく、元気でいられますように
願いを風に乗せ、天狗岳からネパールの地まで飛んでいけ!
目もくらむ絶壁に張り付きながら、コメツツジが白い花をいっぱい付けている
清楚な花で飾られた天狗岳を十分楽しんだグランパは、一本燻らせて満足げな表情
弥山に戻りコーヒータイムしていたら、段々人も多くなった
シコクイチゲを楽しんでから、満足満足で下山
巻道を下りていると、法螺貝を鳴らしながら登拝のご家族にバッタリ
お断りして写真を撮らせて貰ったら、小学生くらいの男の子もお父さんと一緒に吹いてくれました
とっても上手! 画像だけで音をお届け出来ないのが残念です
二ノ鎖元で簡単な昼食をとり下山 結構沢山の方々とすれ違う
山歩きの方には、「こんにちは〜」ですが、白装束の方には、自然と「おのぼりさんで〜」
キレンゲショウマも背伸びして、準備万端デスヨ〜♪
これでシコクイチゲ、キレンゲショウマ、フガクスズムシソウと
田中澄江「花の百名山」で紹介された石鎚山の三花一応揃い踏みです
今日の楽しみのもう一つ、ササユリを見に 展望園地に寄り道したら
思いがけない嬉しい出会いが待っていました
「まぁ、お久し振りです! その節は大変お世話になりました」
10年前、梅ヶ市から土小屋まで縦走した時に、登山口まで送って下さったTさんご夫妻にバッタリ
ササユリを囲んで話に華が咲き、楽しいひと時でした
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