2018年11月24日 ”土佐街道・雲辺寺道”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る



先週「三角寺奥之院道」を歩いた時、偶然出会ったボランティア I さんの案内で、

不動堂から峰の地蔵までの「雲辺寺道」を歩くことが出来た

雲辺寺道は、峰の地蔵から下るとまもなく土佐街道に重なり、平山で分かれ東に向かう

気になることは今年のうちにと、今日は、平山の分岐点から、道標、丁石を追って

横峰越〜(車道)〜峰の地蔵から平山へ ほとんどが樹林帯の薄暗い古道歩きです


(9:45)〜(9:55)平山登山口〜(10:30)分岐〜(11:05)横峰越(11:15)〜(11:35)峰の地蔵〜(12:10)平山
                                              (2時間25分)



県道5号金田町平山で、三角寺方面分岐点の路肩に車を停め歩き始める

車道を少し三角寺方面へ入ると、茂兵衛道標と48丁の地蔵丁石が佇む

ここが土佐街道と遍路道の分岐点(合流点)

すぐ近くに、「お小屋倉跡」「旅籠屋島屋跡」と刻まれた大きな標柱が立つ

 土佐の国主が上の「お茶屋」で休憩される時に使うお道具類等は、この倉に仕舞っていた

此処に、平山で最も大きな宿屋・島屋があったそうです

参勤交代行列とお遍路さん、予土の人や物資の交流 この辺りの往時の賑わいが想像出来ます

さぁ、峠下の分岐点まで、お殿様とお遍路さんの気分に浸って歩いてみよう

この道は、馬立本陣から川之江本陣を目指したとき に歩いたが、11年も過ぎれば記憶も薄らいでいる



道標に従い、「うろこ坂」と書かれた急坂を登ってゆく

『伊豫遍路道』に拠れば、平山ー 堀切峠間には、48丁、47丁、46丁の地蔵丁石と

その形や寸法から、地蔵丁石であったろうと思われるものが3基残っているそうです

栗畑付近がちょっと分かり難いが、直ぐに掘割道になる



周防国 中務茂兵衛の標石  何と、茂兵衛さん、131度目のお遍路だとか!

雑草が生い茂る掘割に、 岩石を砕いて道を通したという痕跡を見ながら

九十九折りの平山坂を登ってゆく



往還を偲ばせる大きい道ですが、かなり荒れています ここを歩くお遍路さんは、多くないでしょう

古びたベンチの傍で佇む、光背が欠けたお地蔵さん

 

「南無阿弥陀佛」の日本廻国供養塔が建つ分岐 「此方うんへんち道 此方ニオくのいん道」

先ずは、分岐を左に取り土佐街道をゆく (帰路は、右の奥之院遍路道から下りて来る)

「松の木の休場跡」に出て、作業道を左奥に進む(作業道を右へ進めば、数分で「峰の地蔵」)



頼りない木橋を渡ると、「お茶屋跡」  直ぐ後に「泉の跡」もある

平山集落のお倉小屋からお道具類を担ぎ上げ、休息所を準備するのも大変だったろうなぁ

 

お茶屋跡から道が薄くなったが、適当に登ったら車道に出た 

車道脇に、堀切峠0.7km、「お茶屋の跡まで150m」の道標がある

車道を横峰越向かって緩やかに上る

傍に一時街道が並走するが、藪いて歩ける状態ではありません

 

巨大な太陽光発電設備(振り返っています) 後ろは平石山かな?

車道歩き15分で横峰越 土佐街道はここから馬立本陣目指して下ってゆく

清水が湧き出る水ヶ峰地蔵まで、800m

毎年、5月5日の子どもの日に、宇摩竹友会の方々が虚無僧姿で地蔵堂を訪れ、献曲される

横峰越には、夕日が沈まんとする情景を詠った九代藩主、山内豊雍(とよちか)候の和歌

うすくこく 遠近分けて 夕日影  霞む浪まの 沖の島々

残念ながら木々が茂って燧灘は見えない 石碑の傍らに腰掛けて、暫しコーヒータイム

 

横峰越から車道を下って「峰の地蔵」  雲辺寺道を平山向け下りて行く 

 初めての道なのでワクワクだったんですが、ほんの数分で土佐街道分岐点に着きました

 

歩き難い掘割道を嫌って植林帯を下っていると、車道に出た

今日は良いお天気〜、川之江の市街地がすっきり見える

このまま車道を下りても良いが、栗畑を横切って軌道修正

民家の石垣道を下り、分岐点に戻ってきた

ここから土佐街道は川之江本陣向け北へ、遍路道は雲辺寺目指して東へと分かれる

当市の身近な遍路道、三角寺〜奥之院〜雲辺寺の面影が残る部分を継ぎ接ぎですが歩いてみた

奥之院から平山は、傷んで歩き難い所や藪化しつつある所などあり、かなり厳しい道でした

伊予の最後の難所に入るお遍路さんを見ると

自分なりに何か出来ることは無いかという気持が湧いてくる

四国に根付いたお接待の文化なんですね

 

県道を少し下ると、道傍に「土佐街道登り口」の大きな道標が立つ

四国の古道は遍路道だけじゃないよ、とでも言いたげです

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