2018年12月01日  ”小豆島の山と霊場”



GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る


ログ破線は手書きです(緑色の縦走路を外して、30分余りのサバイバルでした)

ここ最近、あまり展望の無い遍路道歩きが続いている

この時期、展望と紅葉が楽しめるお山と言えば・・・そう小豆島です

以前、洞雲山〜碁石山を周回したのは、2005年11月

その時は、山を歩いただけでしたが、今回は霊場もゆっくり訪ねたいと思います


坂手港(8:45)〜(9:50)兜山〜(10:10)隼山(10:25)〜(10:35)第一番洞雲山(11:10)〜(11:25)洞雲山(11:35)
(12:40)碁石山(12:50)〜(13:25)第二番碁石山〜(14:10)第六番常光寺〜(14:30)マルキン記念館 (5時間45分)



高松港6時50分発のこくさい丸に乗船して、小豆島へ向かう

舫っていて視界がすっきりしない 久し振りの小豆島、スカッと晴れて欲しいなぁ

池田港ターミナル前から小豆島オリーブバスに乗って、30分で坂手港

正面のピラミッドピーク(洞雲山)向け住宅街を歩き始める



桜紅葉に迎えられ、小豆島八十八ヶ所霊場第三番 観音寺、第一番 洞雲山の本坊です

参拝し、車道を少し進むと、水の恵みを祈願する美井戸神社

「瀬戸内国際芸術祭2013」で、 ビートたけしとヤノベケンジによって共同制作された彫刻作品がご神体だそうです



丁石に誘われ遍路道へ 4回続けて遍路道を歩くと、丁石が愛おしくさえ思えてきます

あらら! 獣避けのフェンスに阻まれ道路に出られません 狭い足場を辿ってなんとか脱出



車道を右へ進むと、壺井栄文学碑 『桃栗三年 柿八年 柚の大馬鹿十八年』と揮毫

著書『二十四の瞳』が映画化され、小豆島を一躍全国区にした作家です

文学碑から尾根の遊歩道を上り、再度車道に出て20分ほど進む

右の作業道に入り、ちょっと寄り道します



作業道終点から尾根に直登するが、結構な急斜面 最初から尾根を来た方が、良かったかも

柱状節理の岩頭を右に巻き、丸いのやら角ばったのやらいろんな石を楽しみながら奥に進む



尾根が下りにさしかかるころ兜山頂上(△252.01m) 展望は有りません

引き返し、岩頭に上がれるんかなと暫し眺めてみたが私では無理みたい

岩頭から迫力ある隼山を見たかったのですが

節理基部を慎重に下る 周りには遍路道標に使えそうな四角い石が転がっている



尚も車道を進めば、第三番 観音寺の奥之院 隼山 恐ろしげな断崖絶壁の基部に伽藍があります

小豆島は、太古の火山活動と浸食作用で出来た島であり、多数の洞窟や断崖絶壁があると紹介されている

見上げれば、今にも崩れそうな岩壁が覆い被さっている

黄色い絨毯が敷き詰められた境内は、他に参拝客も無く静かです 



小休止後、「洞雲山(525m)、碁石山(900m)→」の道標に従って、ウバメガシに囲まれた遍路道をゆく

途中、「讃岐十景」の展望所から南を見れば、先ほど登った兜山



西に坂手港 そして穏やかな海に延びる半島の先に、岬の分教場や映画村がある

遍路道をさらに進む 前方の岩の割れ目に祀られているのは、八大竜王の祠



記憶を確認するため、一旦、第二番 碁石山への車道分岐までゆき、仕切り直し

第一番 洞雲山に戻りますが、またまた寄り道

赤いクレパスさんの情報を頼りに、危なげな梯子やオクサリを上って行けば・・・



岩窟の中に、石槌蔵王大権現が祀られている

洞雲山に限らず小豆島の山岳霊場は、修験道の行場だったそうです

心配顔で待つグランマが、より小さく見える



第一番 洞雲山の石段を上がってゆけば、五鈷杵が祀られた大師堂

その奥が御供所 前に「大師のお杖の水」と称する泉がある

更に、石段を上がり仙霊窟に入ってゆくと、ご本尊が祀られた八角堂(本堂)

神秘的というより、ちょっと不気味な感じさえする



本堂前から、夏至に観世音菩薩が光現するという岩肌や境内を見下ろす

夏至を挟んだ約50日間、午後3時過ぎの数分間、太陽が当ると3mの観世音菩薩が現れるとか

お遍路さんが偶然見つけたそうだから、夏至があるならどこかに冬至もと思うが、残念がら日差しが無い

遍路道に戻り、石碑から洞雲山へ向かう ここからは登山です



八大竜王を祀る祠 ギッチャンの表現をお借りすれば、ほんと「投げ入れ堂」みたいですね

脆そうな岩壁基部のズルズル道を登ってゆく



ウバメガシを掴みながら急斜面を頑張れば、大展望の稜線に飛び出す

前方に、尖がり碁石山、厳つい大嶽が聳え、遠く星ヶ城山が霞む



洞雲山頂上(355m) 祠に何を祀っているのか気になります

尾根を北に進んでいると、東に振りだした 以前は、こんな道歩いて無いと思うけど・・・

周りを見てみると北側の谷に下りていく踏み跡がある



木を掴んで急斜面をトラバース気味に下るが、踏み跡がぼやけてきた

間違っているのを確信したら引き返すのが鉄則ですが、かなり下ってから左の尾根を目指す

急斜面を直登したら縦走路に出た 何よ、いい道があるじゃない! 

多分、このすぐ南(左)で縦走路を見落としたようです 30分余りのサバイバルでした

あのまままっすぐ進んだら、隼山の大岩壁の上に出てしまう おぉ、怖!

「ボーッと歩いてんじゃねえよ!」 一瞬、チコちゃんの大きな顔が浮かびました



木漏れ日を受けながら、ウバメガシに囲まれた快適な道を北へ

左側を覗くと、健在でした 絶妙なバランス岩 

ちょっと正岡子規に似てません?    「子規岩」とでも名付けましょうか



碁石山頂上(△ 434.25m 点名大滝) 雑木が刈られたのか北側の展望がある

少し北へ進み、大岩から大嶽を眺める 絶景です 後ろは小豆島最高峰星ヶ城山



大嶽への縦走路 かなりの激下りですが先程難儀した道に比べれば、余程しっかりしている

グランパは、このまま縦走路を進みたそうですが 「引き返すよ〜」

 第二番 碁石山への分岐(ピンクテープ有)まで引き返し、行者尾根を下ってゆく



白い露岩斜面を下り金毘羅宮の岩場から大展望を満喫 紅い樹海が海岸まで迫っている

その直ぐ下で、海上安全を司る波切不動明王が睨みを利かす



石段を下り右へ 岩窟に飲み込まれそうな第二番 碁石山 第八番 常光寺の奥之院です 

小豆島の山岳霊場は、四国八十八ヶ所霊場に比べより神秘的な雰囲気を持っている

小豆島八十八か所霊場は、330年もの歴史を持っているそうです



参道を引き返し下ると、境内入口に大師像 こんな大きなお大師さん見たことない!

駐車場から車道を12分下り、石仏に誘われ左の遍路道に入る



手摺が設置された広い道の傍らに、標石や石仏が佇む 

倒木を潜ったり、迂回しながら下る 概ねしっかりした道ですが、余り歩かれていない感じです



遍路道に入り20分 前方が明るくなり車道に出た

振り返ると、大嶽が見送ってくれている 僅か400mほどの山とも思えない大迫力です 



第八番 常光寺 ほとんど散ってはいるが、残った桜モミジが綺麗〜

2月中旬にもなれば、早咲きの桜ジョウコウジザクラが開花し、一足早い春を告げるそうです

県道に出て、マルキン醤油でお土産を買ってバスを待つ 奥で碁石山や大嶽が誇らしげに聳えている

山中では誰にも会わなかったが、醤の郷(ひしおのさと)は観光客が多く、バスも臨時便が走っている



思い出深い太麻山に見送られ、3時30分発のこくさい丸で池田港発

日の出とともに出港、夕陽と共に高松港に帰港でした

小豆島は、ワンダーアイランド 地形、歴史、風土など奥深い歩きの要素がいっぱい詰まっている

今日は紅葉を楽しみながら、山と霊場を巡りましたが

次回は山にこだわらず、視点を変えれば新たな発見がありそうです


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