2019年06月22日 島の風景 ”豊島”



6月も下旬になるというのに一向に入梅の気配が無い

今日は雨の心配は無さそうだけど、二週続けての霧の中歩きもしんどい

こんな日は島の山 まだ訪れたことが無い小豆島の西隣に浮かぶ豊島(てしま)へ

「ゴミの島」という負の話題以外は余り目立たない島ですが、

その名の通り豊かさを探しながらのんびり歩いてみよう

家浦港発(9:30)〜(10:45) (10:55)〜(11:20)岡崎公園(11:55)
分岐(12:10)〜(13:00)豊島美術館〜(14:00)海のレストラン〜(14:40)家浦港(5時間10分)



8時45分、波飛沫をあげて高松港を出港 

出港して30分 豊島が近付き、登ってみたくなる姿のトンガリ山(102m)が見えて来た

トンガリ山の右側が、30年ほど前、産業廃棄物の不法投棄が発覚した場所

2017年6月、91万トン余りの廃棄物撤去・無害化処理は完了したけど、今も尚、地下水の浄化は行われているという



9時20分 家浦港に着岸し、たくさんの観光客(外国の方が多い)が下船

レンタサイクルに出来ている行列を横目に、島内てくてく歩き出発です

今日は思ったより天気が良く、暑くなりそう

電波塔が建つ壇山を望みながら南へ、駐在所前を左折し県道に出て少し進む 



「壇山頂上展望台 これより3.8km」に従い、県道から分かれ右へ

レモン畑の向こうに家浦の集落 落ち着いた風景が広がります



歩き始めて約1時間 ベンチの置かれた展望所で、汗を拭いながら小休止 

甲崎沖に浮かぶのは、日本で唯一、島内に県境がある有人島です

北の岡山県側が石島 南の香川県側が井島 読み方はいずれも「いしま」

2011年8月、島全体の9割が山火事で焼け痛々しい禿山になったそうです

井島の左奥が、9年前に歩いた直島 あの時も暑かったなぁ



展望所から5分 「壇山頂上展望台 これより0.5km」に従い左折(頂上までコンクリート道)

まだヤマツツジが綺麗に咲いている

 

島の最高峰・壇山(△豊島 339.6m)

「ボランティアグループ・豊島をきれいにする会」の呼びかけで、2011年4月3日に完成した立派な展望台が建つ

丁度の時に雲がお日様を隠してしまったけれど、爽やかな風が吹き抜ける展望台からは

小豆島を始め瀬戸内の島々や、直ぐそれと分かる五剣山、屋島等、讃岐の山々も見えます

南北朝時代から豊島は小豆島に属していたという記述があるそうです(「讃岐史」(宮脇長翁著 明治24年)

現在の行政区分も土庄町豊島 古来より小豆島との繋がりが深いんですねぇ

 
  
壇山を後にして15分弱で三叉路、岡ア公園展望台、豊玉姫神社(右)と豊峰権現社(左)の分岐

右に入るとすぐ右に広い道が延びている 説明地図では岡ア公園に続いています

帰りはこの道でと思っていたんですが・・・

500mほど進むと、豊玉姫神社 縁結び、家内安全に御利益があるそうです
 
 

神社から200mで前方が一気に開け、豊島の発展に貢献した岡崎金次郎翁の像が建つ岡ア公園・壇山展望台

直ぐ下に、名産「豊島石」を採掘していた「大丁場」

目の前に△稲塚(231.14m)がある山(御殿山?) 逆スラブ状の断崖絶壁からでは落ち着きません


 
ベンチに腰掛けゆっくり大展望を楽しみます

島の前を行き交う船や、男木島・女木島そして屋島や高松までも見渡せる

もっと空気が澄んでいれば、阿讃山脈やおそらく剣山も見えるんでしょう

復路は別の道で分岐点へ 公園から奥に延びる作業道に入る

初めは緩やかに下り、やがて西に振り草が道を覆い出した

反射板まで来て、「もう引き返そうや」

291mpからの実線を見逃したか、道がもう無くなっているのか?なんとなくスッキリしません

 

草叢に咲くウツボグサ 

大汗かいて公園まで引き返し(35分ほどのロス)、来た道を戻る

右写真は分岐手前から撮っています 左手前の道を帰って来る予定でした

 

  壇山中腹(標高約310メートル)に位置する「スダジイの森(椎の木)」は県指定自然記念物

「トトロの森」の愛称で親しまれているとか 可愛い妖精が出てきそうな雰囲気です

スダジイの森に溶け込むように、荘厳な雰囲気の「豊峰権現社」が鎮座する

 

唐櫃集落を見る、港右横の鼻にある△宮ノ鼻(28.68m)まで行ってみたいんですが

タイムロスも有り、予定より時間がかかっています

境内の大イチョウが、創建300年を物語る大悲山寶珠院十輪寺 

護摩堂(本堂でもある)が、土庄町文化財に指定されている

 

高石垣に囲まれた民家越しに海を見ながら路地を下る 島歩きの醍醐味ですねぇ

たくさんのレンタサイクルが停まっている「島キッチン」

 

瀬戸内国際芸術祭は、3年に一度、瀬戸内海の12の島と2つの港を舞台に開催される現代アートの祭典です

今年が4回目 毎回春、夏、秋の三会期 今夏は7月15日〜8月25日の38日間の開催

良く目立つ作品展示案内板 ガイド本によれば豊島では4地区で17のアートが展示される

まだ夏会期前ですが、多くの人に出会います

唐櫃岡の路地に、凝灰岩で造られたカマクラ形の石祠が祀られている 

素材は違うが、ふと秋山郷で見た猫つぐら(寝床)を思い出す

 

唐櫃岡の集落を抜け、 寛ぐ牛の行く末を案じながら県道を下って行くと、豊島美術館が見えてきた

アーティスト・内藤礼と、「建築のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞した西沢立衛氏による建造で

柱ひとつない広く真っ白なスペースに、風、音、光を取り込み、自然と建物が呼応する有機的な空間だそうです

目の前まで来んですが、残念ながら、ちょっと時間が足りません △宮ノ鼻もパス
 


「棚田プロジェクト」で再生された棚田 壇山からの豊かな湧水が美味しいお米を育てます

(近くにある、弘法大師が杖を叩くと湧水が出たという「唐櫃の清水」 見逃しました)

右に虻山(△115.81m)を見ながら棚田を抜け県道に出る

暑い暑いと言いながら歩く横を、若者が颯爽と下ってゆく この島散策は絶対電動アシスト自転車よ

レストランやパン屋さんを横目に、ここと決めていた食事処へ急ぎます



島歩きの締め括りは、硯地区の「海のレストラン」(ランチ11:00〜15:00)

海を臨むテラスでランチを楽しもうと思ってたのに、ランチは売り切れ アララ!

家浦港近くの「いちご屋さん」で美味しいいちごソフトクリームをいただき港に帰って来た

切符売り場は行列 3時10分発の高速艇は満員

芸術祭夏会期が始まったらどんなことになるんでしょう


豊島は思っていた以上に広くボリュームのある島で、 予定通りには歩けませんでしたが

何時かレンタサイクルで隅々まで巡ってみよう トンガリ山も登ってみたいし


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