2019年07月21日 島の風景”塩飽本島”




塩飽水軍の本拠地として栄えた本島は、誇り高い歴史と伝説に彩られた島

今回は、島に古くから伝わる夏祭り「護摩法要 荒行火渡り」を見に正覚院を訪ねます

前回の笠島地区歴史巡りから、11年振りです



たくさんの乗客を乗せ、丸亀港を10時40分に出港した「ほんじま丸」 35分で本島港入港です

浮き輪を持った家族連れ、白装束の信者さん、観光客が次々と上陸します

山寺(正覚院)の護摩法要は2時からなので、先ずは遠見山展望台へ

可愛いブイのオブジェが飾られた丸亀市立本島中学校に突き当り、右折する(正覚院へは左折)



歴史を感じさせる、入母屋造、本瓦葺の重厚な長屋門の建物は、勤番所跡

帰りに寄ってみよう

港から、30分弱で遠見山遊歩道入口



本島霊場第二番札所「おやみ堂」

「てんぐの足あと」が残された大岩 海を隔てた飯野山の「おじょも」さんの足跡といい勝負?



「てんぐの足あと」から、丸亀、西讃方面を眺める



遊歩道入り口から10分で、東屋のある遠見山展望台(101m)

東屋から北へ、すぐ遊歩道から分かれ草木が茂る道を100mほど進んだ所に石鎚神社の祠が祀られている

祠の中に巣が有るのか、スズメバチがひっきりなしに出入しているので写真を撮って早々に退散します

(中に、蔵王大権現さんが鎮座しているそうです)



長徳年間(995〜998)開創の、 本島霊場第一番札所「宝樹山 長徳寺」 

香川の保存木「樹齢450年のモッコク」 天文14年(1545)に本堂の屋根瓦を葺き替えた時に植えられたとか



道沿いに植えられた花々を楽しみながら引き返し、重厚な長屋門を潜れば

寛政10年(1798)に塩飽全島を治める政所として建造された「塩飽勤番所跡」(国指定史跡)

水軍の功労により島の自治を許された人名650人から選ばれた4人の年寄が、此処で政務を執っていたそうで

明治以降は、本島村役場、また戦後は丸亀市役所本島支所として使われていたが

昭和52年(1977)に全面改修し、昔の姿に復元した

年寄詰所である離れ座敷西側に、「朱印庫」 朱印状を石櫃に入れ、この土蔵に保管していたそうだ
 


「徳川家康朱印状」 関ヶ原後の慶長5年(1600)、塩飽船方650人に対して1250石の領地を認めた朱印状

この他にも織田信長、豊臣秀吉等の朱印状が有る



勤番所を後にし、「正覚院」へ向かう (港から、無料送迎バスが走っています)

道沿いの六地蔵を見ながら急勾配の舗装路を上がって行くと、石の鳥居の傍に綾子姫墓所がある

尚も急坂を頑張り、木々に覆われた参拝道に入ると直ぐ、「水不動(願かけ不動)」の磨崖仏

説明板に拠れば「弘法大師渡唐の砌り、海上遭難せんとして、当島に上陸なされ

これこそ当本山の聖観音様の御招きだと法悦歓喜あそばされ、自然石に不動尊を刻まれ無魔成満を祈願なさり

自ら石清水の井戸を掘られた。今日に至るまで湧水止まるを知らず、不老長命の水と伝えられる」

石段を上がって行くと、理源大師誕生の砌り、母公綾子姫が祈願したという地蔵菩薩が祀られている



大わらじに迎えられ、山門を潜る

「塩飽の山寺さん」と親しまれている正覚院の正式名称は、「真言宗大本山 妙智山 正覚院 観音寺」 

1250年余前、天平年間(729〜748)に聖武天皇の勅願で行基が開山し

その後、坂上田村麻呂が桓武天皇の勅願により七堂伽藍を建立したと伝わる

此処は、総本山醍醐寺の開基である聖宝理源大師誕生の地

天長9年(832)2月15日、大宰府への途次本島に着かれた綾子姫が大師を出産、幼名を恒蔭王という



観音堂を抜け、山道を進むと小広く開けた場所に着く 此処が、八ヶ峰(161m)

広場の中央に有るのは、烽火台跡なのかな?

鞍部まで引き返し、歴代正覚院法主の墓石の前を過ぎ、「奥ノ院不動道」を進む

右側が断崖となっているところから、源平合戦の古城址・福部半島を見る



不動道突き当たりの巨岩に、弘法大師が刻んだと伝わる不動明王磨崖仏!

背に迦楼羅焔(かるらえん)を背負い、怒りで逆巻く髪を辮髪(べんぱつ)にし憤怒の相を浮かべている

人の煩悩を焼き尽くす炎の世界に住み、人々を救うという形相は凄まじく恐ろしげだ



正覚院境内に戻ると、 護摩法要が行われています

読経が行われる中、行者さんが煙にかざした御幣を皆々の頭上で祓ってくれる

有り難い煙で邪気を祓って貰ったから、今夏は無事に過ごせそうです



護摩壇が燃え盛る中、法螺貝が高らかに鳴り響く

願いが書かれた護摩札を捧持し火渡りを行った行者さんに続いて、素足の信者さんが次々渡って行く

不動明王の炎で、心の迷いや穢れ煩悩を清めご加護をいただくのだそうです

靴を脱ぐのは面倒だと火渡りはしなかったので、煩悩を残したまま山寺を後にする



ハマゴウ咲く、泊海水浴場 潮風が心地良い

本島パークセンター傍の所見坊でコーヒーをいただいていると

団体さんを乗せたチャーター船が出港した後、ほんじま丸が入港した

パークセンターに飾られた瀬戸芸作品「咸臨丸のオブジェ」を見ながら港へ向かう

17時10分、 出港 天気がはっきりしないにも関わらず、往復とも超満員の「ほんじま丸」でした


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